【統計データ】入所者の転倒やヒヤリ・ハット等の事例の把握・分析の主な実施者

出典:介護老人保健施設における安全・衛生管理体制等の在り方についての調査研究事業報告書
目次

データから見られる事実

  • 介護職員がヒヤリ・ハット事例の把握・分析を行う割合は39.0%で最も高い。
  • 看護職員による実施が17.6%、施設長が9.7%と、他の役職に比べて低い。
  • 約31.2%の施設がヒヤリ・ハット事例の把握・分析を実施していないか、回答がない。

事実を基にした分析

  • 介護現場で最もリスクに直面している介護職員が、ヒヤリ・ハットの分析を主体的に行うことで、実践的な改善が促進されている。
  • 看護職員や施設長の関与が低いことから、全体的なリスク管理の視点が欠けている可能性があり、さらなる多職種連携が必要。
  • 31.2%の施設で実施がされていない、または不明であることは、施設全体のリスクマネジメントの不足を示している。

具体的な行動案

  • 介護職員だけでなく、看護職員や施設長もヒヤリ・ハット事例の分析に積極的に参加し、全体的なリスク管理体制を強化する。
  • 実施していない施設には、ヒヤリ・ハット事例の重要性とその分析方法を教育し、定期的なリスク評価を行うよう推奨する。
  • 多職種間の連携を強化し、異なる視点からのリスク分析を取り入れ、より包括的な安全対策を実施する。

総括して言えること

このデータから、介護現場でのヒヤリ・ハット事例の把握と分析が介護職員に大きく依存していることがわかります。
介護職員は日常的にリスクに直面しているため、現場の状況を最もよく理解していますが、看護職員や施設長の関与が低いことは、全体的なリスク管理の視点が欠けている可能性を示唆します。

さらに、31.2%の施設でヒヤリ・ハットの分析が行われていない、または不明であることは、施設のリスク管理体制の不十分さを示しています。
これを改善するためには、全ての職種が協力してリスクを分析し、学習し合う体制を構築することが重要です。

また、リスク管理の教育やトレーニングを通じて、全ての職員がリスクに対する意識を高めることが求められます。
施設全体での包括的な安全対策を講じることで、より安全な介護環境を構築できるでしょう。

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