【家族の負担を減らす】在宅介護で受けられる手当やサービスをご紹介!

この記事は、以下のような方にオススメです。

  • 家族の介護にどのくらい費用がかかるのか知りたい方
  • 損をしないよう、介護で受け取れる補助金や手当を知っておきたい家族
  • 家族だけの介護に限界を感じ、利用できるサポートを探している方

この記事では、在宅介護を行う際に利用できる補助金や介護サービスなどの手当について紹介します。

「老後を家族と一緒に自宅ですごさせてあげたい」という思いから、在宅介護を選ぶ家族も多いでしょう。
しかし、在宅介護は家族の負担が大きく、無理をして体や心を病んでしまい、施設入所を早めてしまうケースが少なくありません。

また、家のリフォームや介護ベッドの導入など金銭的な負担も大きく、在宅介護ができるか不安に感じる方もいるでしょう。

今回は、在宅介護で家族にどのような負担がかかるのかを詳しく解説します。
あわせて、介護の負担を軽減するための手当やサービスについても紹介するので、ぜひ参考にしてください。

目次

在宅介護で家族が感じる負担は3種類

「在宅介護をしているが、負担が大きくてつらい」という話をよく耳にします。

では、実際に家族で介護を行う場合、どのような負担が生じるのでしょうか。

在宅介護をする場合、家族にかかる負担は大きく分けて3種類です。

  • 精神的な負担
  • 体力的な負担
  • 金銭的な負担

これらの負担を抱えたまま無理を続けると、介護疲れから在宅介護の限界を迎える原因となります。
自分自身が体調を崩したり、介護うつに陥ったりすることがあり、最悪の場合は虐待につながるケースもあるのです。

以下で、それぞれの負担について詳しく解説します。

精神的な負担

生命保険文化センターが行った「生命保険に関する全国実態調査」によると、介護が続く期間は平均で5年ほどあり、10年以上続くケースも珍しくないそうです。

在宅介護は、排せつの介助や寝返りのサポートなど、昼夜を問わず常に気を張り詰めていなければいけません。
十分な睡眠が得られないことから、心身が回復せず疲労も溜まります。

先行きが見えず、気が休まらない介護生活に限界を感じる方が少なくないのです。

また、「認知症でコミュニケーションが取れない」「何度も呼び出される」など、思うようにならずフラストレーションがたまることもあるでしょう。

在宅での介護は、自宅という封鎖的な空間の中で行われます。
1人で悩みを抱えストレスをため込むことで、介護うつになってしまうことも珍しくありません。

体力的な負担

介護度が高くなり、着替えや移動時にサポートが必要になると、家族が体を支える機会が増えてきます。

80歳以上の平均体重は、男性が約55kg、女性でも約45kgあり、決して軽くありません。
ベッドからの立ち上がりや車椅子への移乗など、中腰で何度も重い体を持ち上げることから、腰や膝を痛める方が多いのです。

また、介護をする家族の高齢化も問題になっています。

厚生労働省によると、介護をしている方の8割が60歳以上だそうです。
80歳以上で介護をしている方も18%以上おり、体力的な負担は計り知れません。

「階段のサポート中に転倒し、自分も介護が必要となってしまった」という話も珍しくないのです。

金銭的な負担

介護には、お金がかかります。

生命保険文化センターが調査した「2021年度 生命保険に関する全国実態調査」によると、在宅介護の場合、月々にかかる平均費用は約8万円だそうです。

オムツや介護用の食事など、日々の生活に必要な消耗品だけではありません。

在宅介護を始める際は、介護用ベッドや車椅子なども必要になるでしょう。
手すりやスロープの設置など、家のリフォームも考えなくてはいけません。

ヘルパーやデイサービスを依頼すれば、利用料も発生します。

また、介護のために仕事を辞める介護離職も、金銭的な負担を増やす大きな要因として問題となっています。

施設入所を考える目安は「家族の限界」

在宅介護から施設入所を考えるタイミングとしては、家族の感じている負担の大きさが一つの目安となります。

具体的には、以下のような状態であれば、入所を検討しましょう。

  • 精神的負担の限界
    ・気持ちに余裕がなく、イライラすることが多い要介護者に腹が立ち、感情的にふるまってしまう。
    ・常に介護のことが頭にあり、気が休まらない。
  • 体力的負担の限界
    ・腰や膝を痛めてしまい、思うように介護ができない。
    ・介護者の年齢が60代以上である十分な睡眠がとれず、疲れが溜まっている。
  • 金銭的負担の限界
    ・介護に専念するため離職する必要がある。
    ・介護度が上がり、大規模なリフォームが必要保険内サービスでは介護しきれなくなった。

また、以下のように事故の危険性が高い場合も施設入所を考えてください。

  • 徘徊によって外出し、事故や転倒の心配がある
  • 食べ物ではない物を口に入れてしまい、窒息の危険がある
  • 火の不始末で火事を起こす可能性がある

施設の選び方は、入居する本人と一緒に複数見学し、気に入った所を選ぶことが理想です。
入居待ちが発生している施設も多いため、希望するエリアや設備などがある場合は、早い段階でケアマネジャーに相談しておきましょう。

心身の疲労や金銭的な負担から、余裕がない状態での施設選びは大変困難です。
面談や審査、手続きに必要な書類の準備など作業が多く、時間や手間がかかります。

「私が我慢すれば、もう少し頑張れる」と無理をせず、限界を迎える前に余裕を持って準備を始めましょう。

寝たきりの在宅介護や、症状別の入所目安については以下の記事をご覧ください。

在宅介護で家族の負担を軽減する手当やサービスを紹介!

ここまでは、在宅介護において家族が感じる負担の種類や限界について解説しました。
介護負担から来るうつ病や離職などは、社会問題にもなっています。

そのため、介護の負担を解決するために、手当やサービスが用意されていることはご存知ですか?

ここからは、在宅介護で受け取れる補助金や介護サービスについてご紹介します。
笑顔で無理なく介護を続けるためにも、これらの制度を積極的に活用していきましょう。

補助金を利用する

介護をする家族の負担を軽減するため、国や自治体では介護に関する補助金などの手当を用意しています。
損をしないためにも、積極的に利用しましょう。

以下では、代表的な補助金を4つご紹介します。

  • 福祉用具レンタル・特定福祉用具購入
  • 介護休業給付金
  • 居宅介護住宅改修費
  • 高額医療費制度

申請しなくては受け取れない補助金もあるため、今すぐ必要でない制度でも、いざという時に思い出せるよう頭の片隅に入れておきましょう。

福祉用具レンタル・特定福祉用具購入

在宅で介護を始めるには、介護ベッドや車椅子といった福祉用具を揃える必要があります。
しかし、高額な商品も多く、必要な福祉用具をすべて購入すると大きな負担がかかってしまうのです。

また、介護度が進むと必要な福祉用具も変わります。
「高価な車椅子を購入したけれど、座位が保てなくなり、あっという間に使えなくなった」といった話も少なくありません。

介護度にあった福祉用具をレンタルして、通常よりもリーズナブルに利用できる制度を活用しましょう。

スクロールできます
対象者要介護2~5
レンタル可能な品目車椅子とその付属品
介護用ベッドとその付属品
床ずれ防止用具
体位変換器
工事不要の手すり
工事不要のスロープ
歩行器や杖
徘徊感知システム
工事不要の移動用リフト
自動排せつ処理装置(要介護4~5)
補助内容レンタル料の1~3割負担
申請方法ケアマネジャーに相談

また、直接肌に触れるものなどレンタルに向かない商品の場合、介護保険を使えば安い金額で購入できます。
以下は、要介護認定を受けた方であれば誰でも利用可能です。

スクロールできます
対象者要介護1~5
レンタル可能な品目腰掛便座
自動排せつ処理装置の交換部品
簡易浴槽や入浴補助用具
移動用リフトのつり具部分
補助内容1~3割負担
※ただし10万円を超えた分は全額自己負担
申請方法ケアマネジャーに相談

介護休業給付金

家族の介護が理由で仕事を休む「介護休業」を取得した場合、給付金が受け取れます。

介護休業は法律で定められた制度で、要介護者1人につき最長93日まで取得可能です。
休業中でも収入を得られ、休業後は復職が約束されている点が特徴です。

在宅介護を始める際は、ケアマネジャーとの打ち合わせや各種申請、利用する施設との面談などで多忙になります。
平日に対応しなければならない作業も多く、仕事との両立が難しいと感じる方も少なくありません。

しかし、介護離職は金銭的負担を増やし、社会とのつながりを絶つことから孤独感に悩む原因にもなってしまいます。
介護休業を取得して休業給付金を受け取ることで、収入と仕事を確保しながら在宅介護の準備を整えましょう。

スクロールできます
対象者要介護の家族を介護する方
条件復職前提で介護休業を取得すること
同一事業者に1年以上雇用されていること
要介護の家族を介護していること
休業開始日前の2年間で雇用保険に12か月以上加入していること
補助内容給料の67%
申請方法勤務している事業所を通して申請

居宅介護住宅改修費

住み慣れた自宅であっても、介護度が上がることで階段やトイレが不便になることがあります。

在宅介護を続けるために、手すりやスロープの設置など、工事をともなうリフォームが必要になることも珍しくありません。

手すりの設置は1本約3〜10万円、トイレや浴槽をバリアフリー化するには約50万円かかるといわれており、バリアフリー化には多くの費用がかかります。

そこで、介護を目的とした自宅の改修に対して、補助金が用意されているのです。

スクロールできます
対象者要支援または要介護認定を受けている方
補助内容材料費や工事費 1~3割負担
※上限20万円
申請方法工事を始める前に、改修する家の所在地がある市区町村の窓口で申請

高額医療費制度

高額医療費制度とは、1ヵ月にかかった医療費が定められた限度額を超えた場合に、超過分を払い戻す制度です。

高齢者の場合、風邪や転倒から容体が悪化するケースも珍しくなく、若者に比べ入院回数が多い傾向にあります。
さらに、回復に時間がかかることから、入院期間も長くなりがちです。

病気やケガは、突然起こることが多く、備えにくい出費と言えます。
手術や入院となると金額も大きく、想定外の急な出費は大きな負担となるでしょう。

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対象者保険に加入している方
補助内容医療費の自己負担限度額を超過した分の払い戻し
※自己負担限度額は、年齢や所得状況によって異なる
申請方法加入している保険によって窓口が異なる

【国民健康保険】市区町村の窓口で申請
【協会けんぽ】保険証に記載されている協会けんぽ支部

医療費で困窮しないためにも、高額医療費制度をぜひ活用してください。

介護サービスを利用する

介護では慣れない動きで体を痛めたり、十分な睡眠が確保できず体調を崩したりするケースも珍しくありません。
入浴介助など体力や技術が必要な作業は転倒などのリスクが高まるので、無理をせずプロに依頼しましょう。

また、在宅介護は、孤独感やいつまで続くか分からない不安から、精神的な負担を感じる方も多くいます。

介護サービスは、家族が自分の時間を確保できるだけでなく、ヘルパーや施設スタッフを通して、社会とのつながりを保つ手助けにもなるのです。

以下で、家族の抱える精神的・体力的負担の軽減が期待できるサービスを4つご紹介します。

  • ホームヘルパー
  • 訪問入浴介助
  • 通所サービス
  • ショートステイ

これらのサービスを利用したい場合は、ケアマネジャーに相談しましょう。

ホームヘルパーによる訪問介護

訪問介護とは、ホームヘルパーが自宅を訪問し、家族にかわって要介護者をサポートするサービスです。
入浴やオムツ交換といった身体介護や、掃除や洗濯などの生活援助を受けられます。

定期的に顔を合わせることから介護に関する悩みを相談しやすく、孤独になりがちな家族を身近で支えてくれる存在といえます。

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対象者要介護1~5
申請方法【身体介護】食事、排せつ、入浴、着替え、体位変換などの介助
【生活援助】掃除、調理、洗濯、爪切りなど

訪問入浴介護

介護度が進むと、ヘルパーや家族のサポートがあっても入浴が困難になります。
そのような方の自宅に訪問し、専用の簡易浴槽を使って入浴介助を行うのが訪問入浴介護です。

入浴前後には看護職員による健康チェックも受けられるため、安心して任せられる点が魅力です。

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対象者要介護1~5かつ主治医からの入浴許可がある方
サービスの流れ1、健康チェック → 2、脱衣介助 → 3、浴槽まで移動 → 4、入浴介助 → 5、ベッドまで移動 → 6、着衣介助 → 7、健康チェック

通所サービス

通所サービスは、半日などの短時間だけ施設に通い、サービスを受ける制度です。
これにより、家族はまとまった自由な時間が確保でき、介護から解放されることで精神的・体力的な負担軽減が期待できます。

また、施設での機能訓練やレクリエーション、スタッフや通所仲間との交流は、要介護者の生きがいにもつながるでしょう。

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対象者要介護1~5
受けられるサービス【身体介護】入浴、食事、排せつなどの介助
【機能訓練】歩行練習、体操、腕上げなどの基本動作訓練
【レクリエーション】ゲーム大会、カラオケ、料理など

ショートステイ

短期間だけ施設に宿泊し、介護サービスを受けることをショートステイと言います。
家族が体調を崩したときや冠婚葬祭、出張などで介護が難しい場合に利用することが多いサービスです。

また、介護疲れをリフレッシュする目的でもお願できるため、「限界でつらい」と感じる時は、ためらわず利用して息抜きしましょう。

スクロールできます
対象者要介護1~5
受けられるサービス【身体介護】入浴、食事、排せつなどの介助
【機能訓練】歩行練習、体操、腕上げなどの基本動作訓練
【レクリエーション】ゲーム大会、カラオケ、料理など

【Q&A】よくある質問

介護にはどれくらいお金がかかりますか?

生命保険文化センターが行った調査によると、介護にかかる平均費用は以下の通りです。

  • 住宅改修や福祉用具導入など一時的な費用:合計平均74万円
  • 在宅介護にかかる費用:平均4.8万円/月
  • 施設介護にかかる費用:平均12.2万円/月
ホームヘルパーに頼めない作業はありますか?

介護保険を利用したホームヘルパーは、日常生活をおくる上で必要となる最低限の介助のみ対応可能です。

そのため、庭の草むしりやペットの散歩など、介護に関係のないことは依頼できません。
趣味の外出や友人とのお茶など、余暇に関するサポートも頼めないので注意しましょう。

また、インシュリン注射や褥瘡の処置といった医療行為も禁止されています。

介護にかかる金銭的負担が大きく、もう限界です。どうすればいいですか?

まずはケアマネジャーに相談して、費用を抑えた介護プランに変更しましょう。

地域包括センターに相談し、受け取れる助成金などの手当がないか確認するのもオススメです。

【まとめ】介護負担を減らすなら「ラクカイゴ」

「少しでも家族で一緒に過ごしたい」「住み慣れた我が家でゆったりとすごしてほしい」という思いから、在宅介護を選択する家族も多いでしょう。

しかし、在宅介護ではいつまで続くか分からない介護に、金銭的な不安を感じる方も多くいます。
慣れない介助で体を痛めたり、ストレスで介護うつになってしまうことも珍しくありません。

無理をして限界を迎えてしまうと、在宅介護は困難になります。

家族全員が笑顔で介護生活を送るためにも、補助金やサービスなどの手当を積極的に活用し、負担を軽減しましょう。

また、意外と知られていないですが、便利な介護グッズや保険外サービスを利用すれば、介護の負担を大幅に抑えることができます。

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