要介護3以上の在宅介護は無理?費用や必要なサポート、介護度があがった場合の対応について詳しく解説

この記事は、以下のような方にオススメです。

  • 要介護3の認定を受けたが、どのような状態かわからず不安なご家族
  • 要介護3でも在宅介護が可能か知りたい方
  • 要介護4や要介護5に進んだ場合、費用や生活がどうなるか心配なご家族

この記事では、要介護3とはどのような状態なのか、詳しく解説します。

介護は突然始まることも珍しくありません。
心の準備をする間もなく、要介護3と認定を受け「これからどうなるの?」と不安に感じていませんか?

付きっきりの介護や専門的なサポートが必要になることから、在宅介護にするか施設に入所するかで迷っているご家族も多いでしょう。

今回は、要介護3の方を在宅介護する場合、必要となる介護や費用、利用できる介護保険サービスや給付金などについて紹介します。
あわせて、要介護4や要介護5に進んだ場合、症状や生活がどのように変わるのかについても解説するので、参考にしてください。

目次

要介護3とは常に介助者がそばに必要な状態

要介護3とは、自分だけではできないことが増え、常に介助者がそばにいなくてはならない状態を指します。
1日の大半をベッドで過ごすことが多く、排せつや着替え、歯磨きなど日常生活全般においてサポートが必要です。

具体的には、以下のような症状が見られる場合、要介護3と認定されます。

  • 足腰が弱り、自力で立ち上がることや歩行が困難
  • 片足立ちや、立ったままの姿勢を維持できない
  • 着替えなど身の回りのことに介助が必要

また、これらの症状がなくても、認知機能の低下がみられる場合は、要介護3と認定されることがあります。
徘徊や妄想などが見られるケースも多く、付きっきりの介護が求められる場合です。

要介護3は分岐点

2022年、厚生労働省が、介護にかかる時間についての調査を行いました。

それによると、要介護2までは「必要なときに手をかす程度」という方の割合が多いのに対し、要介護3からは「ほとんど終日介護をしている」という方が過半数に達する結果となったそうです。

引用:厚生労働省「2022(令和4)年 国民生活基礎調査の概況」

介護者の負担が大きくなることから施設入所を考えるご家族も多く、要介護3は「介護における分岐点」ともいえるでしょう。

要介護3の在宅介護は生活全般のサポートが必要

要介護3の方を在宅介護する場合、どのようなサポートが必要なのでしょうか。

以下で、日々の具体的な介助内容をご紹介します。

  • 排せつ
    【トイレ】トイレまでの歩行、衣類の着脱、便座への移動、清拭など
    【オムツ】平均4~5回/日のオムツ交換
  • 入浴
    衣類の着脱や、洗浄、浴室内での移動など
  • 着替え
    朝晩や、食事・排せつ等で汚れた際の着替え
  • 食事
    食卓への移動、嚥下に合わせた食事の用意、スプーンなどで食事を口に運ぶサポートなど
  • 口腔ケア
    1日2~3回の歯磨き

上記に加え、認知症による徘徊や幻覚、妄想などがある場合は、24時間の見守りが必要になるでしょう。

要介護3からは、介護するご家族の負担が大きくなるため、介護サービスや見守りアイテムを活用し、負担を軽減することが重要です。

在宅介護にかかる費用は月額平均8.3万円

生命保険文化センターが2021年に行った「全国実態調査」によると、在宅介護にかかる月額費用の平均は8.3万円だそうです。
自宅で介護する場合、上記に加え、自宅の改修工事や介護ベッド、車椅子などの導入が必要となるため、一時的な出費としてさらに平均74万円かかります。

施設入所の場合は、月額介護費用の平均が12.2万円となっており、在宅介護と比べて4万円ほど高い結果になりました。
さらに、施設によっては、入居一時金として数十万円から数百万円かかる場合もあり、費用面では在宅介護の方が抑えられるといえるでしょう。

しかし、「在宅介護の方が安いから」と、介護のために仕事を辞めるのはおすすめしません。
収入が減ることで、介護破産につながることも珍しくないのです。

介護は、10年以上続くケースも珍しくありません。
在宅介護を選択する場合も、デイサービスやヘルパーを利用して、仕事と両立しながら持続可能な状態を目指しましょう。

在宅介護で受けられるサービスや給付金

要介護3を在宅介護する場合、ご家族にかかる負担ははかり知れません。

介護者の中には「自分が我慢すればなんとかなる」と考える方も珍しくありませんが、無理を続けることで、介護者自身が体調を崩したり、介護うつになるケースもあるのです。

住み慣れた自宅で、家族そろって笑顔で過ごすためにも、受けられるサービスや給付金を積極的に活用し、負担を軽減しましょう。

以下で、要介護3で受けられるサービスや給付金についてまとめましたので、ぜひ参考にしてください。

  • 要介護3で受けられる介護保険サービス4つ
  • 要介護3で受けられる給付金4つ

なお、サービスや給付金を利用したい場合は、担当のケアマネジャーにご相談ください。

要介護3で受けられる介護保険サービスを4つご紹介!

要介護3で受けられるサービスは、以下の通りです。

スクロールできます
サービス名受けられるサービス具体的な内容
訪問介護身体介助食事や排せつ、入浴などのサポ―ト
生活援助洗濯や掃除、ゴミ捨てなど
生活に必要不可欠な家事の代行
訪問リハビリ自宅でのリハビリ筋力維持のトレーニングや、
歩行・食事といった日常動作の訓練
通所サービス
(デイサービス)
身体介助食事や排せつ、入浴などのサポート
機能訓練歩行や食事といった日常動作のための訓練
レクリエーション折り紙や歌、ゲームなど
短期入所
(ショートステイ)
短期間の施設入所旅行や病気などで、一定期間
ご家族が介護できない場合、
短期間だけ施設に入所できるサービス

「家族のことを他人に任せるのは申し訳ない」と考える方もいるでしょう。

しかし、要介護3になると、足腰が弱って寝たきりの場合も多く、介護には体力が必要です。
また、入浴介助など専門的な設備やサポートが必要な場面も増えてきます。

無理な介護は、転倒や誤飲のリスクを高めるため、安全のためにも訪問介護や通所サービスを利用するのがオススメです。

要介護3で受けられる給付金を4つご紹介!

要介護3で受け取れる、代表的な給付金や補助金をまとめました。

給付金・補助金補助内容
福祉用具レンタル・特定福祉用具購入車椅子や介護用ベッドなどのレンタル料補助
介護休業給付金家族の介護が理由で仕事を休む場合に受け取れる給付金
居宅介護住宅改修費介護を目的として自宅を改修する場合の、材料費や工事費の補助
高額医療費制度1ヵ月にかかった医療費が限度額を超えた場合に払い戻す制度

介護にはお金がかかります。
いざという時に損をしないためにも、もらえる給付金や補助金を頭の片隅にいれておくとよいでしょう。

サービスや給付金について詳しく知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。

要介護3から介護度が上がるとどうなる?

ここまでは、要介護3について紹介してきました。
しかし、「このままさらに介護度が進んでいくと、どうなるんだろう」と、今後の生活に不安を感じている方も多いでしょう。

ここからは、要介護4や要介護5に介護度が進んだ場合、どのような状態になるのか、必要となる介護は何かを詳しく解説します。

「このまま在宅介護を続けられるかな?」と悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。

要介護4とは常に介助が必要な状態

要介護4からは重度の状態とされ、寝たきりの方が多く、生活のほぼすべてで介助が必要です。

要介護4で在宅介護を続ける場合は、以下のような条件が求められます。

  • 常に介護者が自宅で見守ること
  • ヘルパーなどのサービスを積極的に利用すること
  • 介護しやすいよう自宅を改修すること

車椅子への移乗や姿勢の変更にもサポートが必要なため、介助には大きな力が求められます。
また、トイレでの排せつや自宅での入浴が困難になり、ヘルパーや施設のサポートが欠かせません。

さらに、認知機能の低下から意思疎通が難しくなり、誤食などの危険が高まります。
サポートが不要な場面でも、常にそばで見守り続ける必要があり、外出や仕事との両立が難しくなるのです。

生命保険文化センターが調査した「全国実態調査」によると、在宅介護の割合は、要介護3では54.9%と過半数に達しているのに対し、要介護4になると41.5%まで下がるそうです。

このように、特別な理由がなければ、要介護4以上は施設への入所が一般的だと言えます。

要介護5とは全介助な状態

要介護5は、7段階の中でもっとも重度な介護度で、24時間常にサポートが必要な状態です。
また、重い認知症の方が多く、理解力や思考力が低下しており、コミュニケーションが取れない方がほとんどでしょう。

1日の大半をベッドの上で過ごす寝たきりの状態で、自力で寝返りができない方も多く、数時間おきに体位を変える必要があります。
24時間昼夜を問わずサポートが求められるため、介護者には非常に大きな負担がかかります。

また、嚥下力の低下から、たんの吸引や経管栄養など医療ケアが必要なケースも多く、適切なケアを受けるためにも、施設や病院での生活を選択するご家族が多いです。

要介護3以上でも在宅介護は無理ではない

要介護3以上でも、在宅介護を続けている方は多くいるため、理論上は無理ではありません。
実際に、もっとも重度である要介護5でも、40%以上の方が在宅介護をしています。

しかし、前述のとおり、介護度が上がるにつれ24時間体制のサポートが求められるため、介護者の負担は増えていくでしょう。
また、寝返りの介助や車椅子への移乗など、力を使う作業も多く、腰や膝を痛める介護者も少なくありません。

訪問ヘルパーやデイサービスなどを利用することはもちろん、見守りシステムの導入や介護しやすくリフォームするなど、いかに介護者の負担を軽くするかが、在宅介護を続けるポイントです。

また、介護度が進むと、介護保険で受けられるサービスだけでは不十分に感じることもあるでしょう。
その場合は、介護保険外サービスの利用も視野に入れると良いかもしれません。

たとえば、ヘルパーや看護師の資格を持った方に、24時間いつでもサポートを依頼できる「イチロウ」というサービスがあります。

全額自己負担ではありますが、時間や回数に制限がなく、好きな時に好きなだけ利用できる点が魅力です。

【Q&A】よくある質問

介護度を上げないコツはありますか?

ご家庭では、排せつや着替え、食事など、可能な限り自分で行ってもらうよう意識することが大切です。
時間や手間がかかることもありますが、自立を促すことができ寝たきりの予防にもなるのです。

また、認知機能の維持も重要です。
人と接する機会を増やしたり、趣味や外出などの気分転換を取り入れることで、生活に刺激を与えましょう。

要介護3から回復することはありますか?

症状にもよりますが、要介護3から回復し、介護度が改善した方や自立された方も多くいます。

回復には積極的なリハビリが必要です。
そのため、「また趣味を再開したい」「もう一度、自分の足で歩きたい」など、本人の意欲を引き出すことが重要です。

在宅介護から施設入所を検討する目安を教えてください。

ご家族が感じている負担の大きさが、施設入所の目安です。

「介護のストレスで精神的に不安定」「体力的にきつくて、寝ても疲れが取れない」など、つらいと感じたタイミングで施設入所を検討しましょう。

【まとめ】親の介護を楽にするなら「ラクカイゴ」

要介護3と認定されても、在宅介護は可能です。
また、要介護4や要介護5へと介護度が進んでも、ご家族が自宅で介護している方は多くいます。

しかし、介護度が進むにつれ、認知機能の低下や体力の衰えから、介護にかかる時間は増えていくでしょう。
また、昼夜を問わずサポートが必要になったり、医療ケアが求められたりすると、ご家族の負担はさらに大きくなります。

無理な介護は、施設入所を早めます。
訪問ヘルパーや通所サービスなどを活用し、負担軽減につとめましょう。

また、見守りシステムや看護師の資格を持った家政婦など、在宅介護をサポートする便利なアイテムやサービスを活用することもおすすめです。

ラクカイゴのWebサイトでは、トップページのカテゴリから介護に関する悩みを選択すると、あなたに合った商品を見つけられます。

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最後までご覧いただきありがとうございました。

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