この記事で解決できるお悩み
- 床ずれを発生しにくくするマットレスが欲しい
- 床ずれ防止用具にはどんな種類があるの?それぞれの料金は?
- 床ずれ防止用具をレンタルするときの手続きは?選び方を知りたい
この記事では、床ずれとは何か?という基本的な内容から床ずれ防止用具の種類までわかりやすく解説します。
この記事を読むと、利用者に合った床ずれ防止用具をレンタルする流れや選び方も分かりますので、ぜひご覧ください。
床ずれ防止用具とは?
ベッドや車いすなどを同じ姿勢で使っていると、体の血流が悪くなります。
その結果、皮膚や皮下組織が壊死してしまう床ずれ(褥瘡)が発生するのです。
床ずれが発生しやすい場所として、仰向けに寝ている場合は後頭部や肩甲骨に発生します。
また、横向きに寝ている方の場合は耳や肘、くるぶしなどに床ずれができることが多いです。
介護保険を利用して、床ずれを予防するためのマットレスやクッションなどがレンタルできます。
マットレスやクッションを使うことで、体勢を変えたり体重を分散したりして床ずれを防止可能です。
自力で寝返りをするのが難しい方を介護する場合、介護者が時間を気にしながら体位を変換する必要があります。
床ずれ防止用具を利用すれば体位変換の頻度を減らすことができるため、介護者の介護負担が軽減される効果も期待できます。
床ずれは一度発生すると、治るのに時間がかかりますので注意しましょう。
介護保険の対象者・利用条件
床ずれ防止用具をレンタルする条件として、要介護2〜5の認定を受けている必要があります。
ただし、要支援1〜2・要介護1の方がレンタルできる場合が例外として認められています。
以下の条件に該当すると判断されると、例外としてレンタルが可能です。
参考:厚生労働省による「要支援・要介護1の者に対する福祉用具貸与について」
- 日常的に寝返りが困難な者
なお、上記の条件に該当するかという判断は、医師の所見やケアマネジメントの確認によって行われます。
費用・料金表
床ずれ防止用具は、汚れることが多いためレンタルで利用するのが一般的です。
レンタルであれば定期的にメンテナンスを受けられますし、介護保険も適用できます。
床ずれ防止用具の月額料金の目安を表にまとめましたので、ぜひ参考にしてください。(1割負担)
床ずれ防止用具の種類 | 月額利用料 |
---|---|
静止型マットレス | 500~700円 |
圧切替型エアーマットレス | 800~1100円 |
車いすクッション | 200~400円 |
体位変換機 | 100~200円 |
床ずれ防止用具の種類
ここから、床ずれ防止用具の以下4種類について、それぞれの特徴やおすすめの方を解説していきます。
- 静止型マットレス
- 圧切替型エアーマットレス
- 車いすクッション
- 体位変換機
静止型マットレス
静止型マットレスは、ゲルなどの柔らかい素材で作られています。
静止型マットレスを利用することで体圧を分散し、むくみや骨突出のリスクを抑えることが可能です。
また、寝返りがしやすくなるため、寝心地が良くなり安眠効果も期待できます。
なお、人によって適切な弾力性は異なるため、レンタルする際は利用者の体に合うものを選ぶことが重要です。
圧切替型エアーマットレス
圧切替型マットレスは、「エアセル」という空気の筒で作られています。
圧切替型エアーマットレスは空気圧を調整できたり、必要に応じて内部の空気を定期的に入れ替えたりすることで、体重が特定部分にかかりすぎないようにします。
圧切替型マットレスは自動的に体位を変換できる点が魅力です。
車いすクッション
ベッドで寝ているとき以外にも、同じ姿勢でずっと車いすに座っていると床ずれが発生します。
車いすクッションを使うことで、おしりにかかる圧力を分散することが可能です。
利用をオススメする方は、自力での座り直しや姿勢が崩れないように保つのが難しい方はぜひレンタルしましょう。
長く車いすに座ることが多い方は、ゲルタイプ素材の車いすクッションを選ぶことが一般的になります。
また、車いすクッションだけでなく車いすについても利用者の状態に合わせたものをレンタルすることが大切です。
こちらの記事で、介護保険でレンタルできる車いすについて紹介していますのでぜひご覧ください。
体位変換機
体位変換機とは、ベッドでの寝返りが難しい方の身体を移動させて同じ部位へ圧力がかかり続けないようにする器具です。
寝ている方の体勢を簡単に変えることができるため、身体にかかる重心を少しずつ変化させるようにしましょう。
様々な種類がありますので、利用者や介護者の使いやすいものを選ぶことが重要です。
レンタルできる体位変換機の種類については、こちらの記事で詳しく解説していますので合わせてご確認ください。
床ずれ防止用具をレンタルする手続きの流れ
介護保険で床ずれ防止用具をレンタルする場合は、以下の7ステップでレンタルの手続きをしましょう。
- 要介護認定を受ける
- 地域包括支援センター・ケアマネージャー相談する
- ケアマネージャーにケアプランを作成してもらう
- 床ずれ防止用具をレンタルする事業者を選ぶ
- 事業所で勤務する福祉用具専門相談員からアドバイスを受ける
- 事業者と契約し、床ずれ防止用具をレンタルする
- 定期的に床ずれ防止用具のメンテナンスを行う
利用者や介護者の状態を福祉用具専門相談員に相談することで、状態に応じた適切な床ずれ防止用具を選びやすくなります。
おすすめの選び方
床ずれ防止用具を選ぶ際の基準として、以下の4つがあります。
- 圧力分散
- ずれ対策
- 湿潤対策
- 安定性
以下の表では、日本福祉用具・生活支援用具協会によって発表された「マットレスを選ぶポイント」をまとめました。
素材 | 圧力分散 | ずれ対策 | 湿潤対策 | 安定性 |
---|---|---|---|---|
エアーマットレス | 高 | 中 | 低 | 低 |
ウレタン | 中 | 中 | 中 | 中 |
ゲル | 低 | 高 | 低 | 高 |
シープスキン | 低 | 低 | 高 | 高 |
床ずれの原因はひとつではなく複数の要因が絡んでいることが少なくありません。
そのため、床ずれ防止用具を選ぶ際は、利用者の状態や生活環境に合わせて選ぶことが大切です。
まとめ
この記事では、介護保険でレンタルできる床ずれ防止用具について紹介しました。
床ずれは、ベッドや車いすなどで同じ姿勢を続けていると、発生する症状です。
そのため、マットレスやクッションを使うことで、定期的に体勢を変えたり体重を分散したりして床ずれを防止します。
床ずれ防止用具には、以下の4種類があります。
- 弾力性のあるマットレスで体圧を分散できる静止型マットレス
- 空気を送り自動的に体圧がかかる部分を変更できる圧切替型エアーマットレス
- 車いすに乗っているときに、お尻にかかる圧力を分散できる車いすクッション
- ベッドで寝ている方の体勢を簡単に変えられる体位変換機
床ずれは利用者の状態や生活環境によって発生するため、利用者に合った床ずれ防止用具を選ぶようにしましょう。
最後までご覧いただきありがとうございました。