アシドーシス

アシドーシスとは、人体の血液のpH値が正常範囲である7.4以下に低下し、血液が酸性の状態に傾く病態を指します。
pH値が約7.36以下になるとアシドーシスと診断され、pH7.0以下になると生命維持が困難になる場合があります。

アシドーシスは、体内の酸と塩基のバランスが崩れることで起こり、大きく分けて代謝性アシドーシスと呼吸性アシドーシスの2種類があります。

代謝性アシドーシスは、体内での酸の生成増加や塩基の消失、あるいは二酸化炭素の排出不足によって引き起こされ、吐き気や脱力感などの症状が現れます。
一方、呼吸性アシドーシスは、肺の機能低下による二酸化炭素の排出不足が主な原因であり、頭痛や息切れなどの症状が見られます。

これらの状態は、糖尿病、腎不全、重度の呼吸障害など、様々な健康問題に関連して発生することがあります。

介護者としてアシドーシスについての知識を持つことは、利用者が見せる可能性のある症状や行動の変化を正しく理解し、適切な対応をとるために重要です。
特に、呼吸や代謝に関わる慢性的な疾患を抱える高齢者のケアにおいて、アシドーシスの兆候を見逃さないことが、彼らの健康維持と生活の質の向上に繋がります。

例文
  • 高齢者のAさんが急に息切れを訴え始め、血液検査の結果、呼吸性アシドーシスが発見されました。これを受けて、介護者はOさんの呼吸状態のモニタリングを強化し、必要に応じて医療スタッフへの相談を行いました。
  • Bさんは糖尿病が原因で代謝性アシドーシスを発症しました。介護者はPさんの食事管理を徹底し、血糖値のコントロールを支援しています。
  • 介護者は、Cさんが不定期に吐き気を訴えるため、代謝性アシドーシスの可能性に気付き、速やかに医療機関での診察を促しました。
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