暗順応(あんじゅんのう)

暗順応とは、明るい所から映画館などの暗い場所に入ったとき、次第に暗さに慣れて見えるようになる瞳孔の調節機能である。

また、暗順応は目の健康状態や年齢によっても影響を受けるため、注意が必要。

反対に、暗い所から明るい所に出たときには明順応が発生する。

暗順応は、私たちの目が、明るい場所から急に暗い場所へ移動した際に、スムーズに暗さに慣れるために必要な目の機能。
例えば、日中の明るいリビングから、夜の薄暗い廊下へ移動した時、最初は何も見えなくても、しばらくすると徐々に周りが見えるようになる。これが暗順応だ。

この暗順応は、目の奥にある網膜という部分にある視細胞が、光の量に合わせて反応することで起こる。
明るい場所では、視細胞の働きが抑制されているが、暗い場所に入ると、視細胞が再び働き始め、暗い中でも物が見えるように調節してくれる。

しかし、この暗順応の機能は、年齢とともに低下することがある。高齢者の方の場合、若い頃に比べて、暗い場所で物が見えにくくなったり、暗さに慣れるまでに時間がかかったりすることがある。
また、目の病気、例えば白内障や緑内障などがあると、暗順応の機能がさらに低下する可能性もある。

介護の現場では、利用者さんの暗順応の機能が低下していることを考慮して、環境を整える必要がある。
例えば、夜間は、足元を照らす照明を設置したり、移動経路に障害物を置かないようにしたりするなどの配慮が大切。

また、暗い場所から明るい場所へ移動する際にも、急な明るさの変化によって転倒しないように注意が必要となる。

用語を使った例文
  • 〇〇さん、夜、トイレに行く時は、暗いから気を付けてね。暗順応するまで、少し時間がかかるかもしれないから。
  • 〇〇さんは、暗い場所が見えにくいって言ってたから、夜間の廊下は、足元灯をつけたままにしておこう。
  • 〇〇さんの部屋は、カーテンを閉めてると真っ暗になるから、明かりを点けて、少し明るくしておいた方が安全だね。
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