安静時振戦とは、身体を安静にしているときに起こる手足のふるえのこと。
この振戦は、パーキンソン病やパーキンソン症候群の特徴的な症状のひとつ。
安静時振戦は、通常は病気やストレスによる反応とは無関係に現れる。
ふるえの原因は、筋肉の疲労や体温調節、血糖値の調整などに関わる自律神経系の働きによって引き起こされる。
ただし、持続的に現れたり、他の症状と併発して現れたりする場合は、神経系や内分泌系などの疾患の可能性があるため、適切な医療機関を受診する必要がある。
この震えは、何かをしようと動いている時には比較的おさまりやすいのが特徴で、リラックスしている時や、寝ている時などに目立つことが多い。
安静時振戦は、パーキンソン病の代表的な症状として知られているが、パーキンソン病以外にも、特定の薬の副作用や、甲状腺の病気、脳の病気などによっても引き起こされることがある。
また、高齢になると、誰でも多少の震えは出るものだが、日常生活に支障が出るほどの震えが続く場合は、注意が必要だ。
介護の現場では、利用者さんの安静時振戦に気づいたら、まずその頻度や程度、震えが起こる時間帯などを観察し、記録することが大切になる。
また、震えによって、日常生活にどのような影響が出ているのかも把握しておく必要がある。例えば、食事をする時にこぼしやすかったり、字を書くのが難しかったりするなどの影響に注意しよう。
用語を使った例文
- 〇〇さん、また手が震えてるね。安静時振戦が出てるみたいだから、ちょっと様子をみましょう。
- 最近、〇〇さんの安静時振戦がひどくなってきた気がする。一度、医師に相談してみようか。
- 〇〇さんが、食事の時、手が震えて食べにくいみたい。何か工夫できることがないか、みんなで考えてみよう。