この記事は、以下のような方にオススメです。
- ケアマネの資格が廃止されるのかどうか不安
- なぜケアマネの資格が廃止される噂が流れたの?
- ケアマネの資格について今後の将来性が知りたい
2024年10月時点で、ケアマネジャーの資格が廃止される予定はなく、むしろその重要性は高まっています。
資格廃止の噂が流れた理由は、試験制度や法改正など複数の要因が絡み合ったことが原因です。
この記事では、「ケアマネの資格は廃止」という噂が流れた背景や、その噂に現実味がない根拠などを紹介します。
また、ケアマネの資格について将来性を見極めるため、国家資格化や給料についても解説しますので、ぜひご覧ください。
ケアマネジャー(介護支援専門員)の資格は廃止されない

ケアマネジャー(介護支援専門員)の資格が廃止されるという噂が広がっていますが、2024年10月時点では、そのような動きは確認されていません。
ケアマネジャーの資格は、介護保険制度の一部として設けられた重要な資格であり、制度自体が大きく見直されない限り、その存続が揺らぐことはないでしょう。
むしろ、厚生労働省や介護業界の関係者は、ケアマネの役割がますます重要になると考えている方も多く、今後もその需要が高まることが予測されています。
このように、ケアマネジャーの資格は廃止されるどころか、その必要性と重要性が引き続き評価されているのが現状です。
なぜ「ケアマネの資格は廃止」という噂が流れた?
「ケアマネの資格は廃止されるのでは?」という噂が広がった背景には、いくつかの要因が絡み合っています。
特に、近年の制度変更や業界全体の動向が、ケアマネの将来性について誤解が生じている主な原因です。
具体的な理由としては、以下の3つが挙げられます。
- 受験資格が厳しくなり、受験者・合格者が減少したこと
- 法改正で管理者が主任ケアマネジャーに限定されたこと
- ケアプランを有料化する案が出ていること
これらのような複数の要因が影響し、「ケアマネの資格は廃止」という噂が流れるようになったと考えられます。
それぞれの理由が、ケアマネの資格廃止に繋がらない根拠について、詳しく見ていきましょう。
(理由1)受験者・合格者の激減
ケアマネの資格が廃止されるという噂が広がった理由の一つに、受験者と合格者の激減があります。
2018年の試験制度の変更によって、受験資格が厳しくなりました。
その結果、2018年の合格者数は2017年に比べて20,000人以上も大幅に減少しています。
このようなデータが理由で「ケアマネは今後廃止されるのではないか」という危機感に繋がったのでしょう。
しかし、試験制度が変更された目的は、利用者により良いケアマネジメントを行うためです。
そのため、受験者・合格者が減ったからと言って、ケアマネの廃止につながることにはなりません。
(理由2)管理者が限定される法改正
2つ目の原因として、管理者要件の厳格化が挙げられます。
2018年度の法改正では、居宅介護支援事業所の管理者が「主任ケアマネジャー」に限定されることが決まりました。
この法改正により、管理者になるには、ケアマネジャーから主任ケアマネジャーへの昇格が求められるようになったのです。
主任ケアマネジャーになるには、ケアマネジャーとして5年以上の実務経験が必要になります。
そのため、法改正に対応しきれない事業所が多く、「資格そのものが廃止されるのでは?」という不安に繋がったのです。
このような法改正があったことが、「ケアマネの資格は廃止される」と噂された1つの要因です。
(理由3)ケアプランを有料化する案
ケアマネの資格は廃止されるという噂が流れた原因の3つ目は、ケアプランを有料化する案です。
現在、ケアマネが作成するケアプランは、基本的に介護保険制度の一環として無料で提供されています。
しかし、過去数年にわたり、「1ヶ月1,000円/人」のようにして、ケアプランを有料化する案が浮上しているのです。
もしケアプランが有料化されると、一部の利用者が「ケアマネのサービスを利用しなくてもいいのでは」と考えるかもしれません。
その結果、ケアマネの需要が減少し、資格そのものが不要になってしまうのではないかという不安が生じています。
一方で、この有料化によって、ケアマネのサービス価値が高まることも十分に考えられるでしょう。
そうなると、ケアマネの資格の専門性がさらに強化される可能性すらあります。
このような3つの理由が原因で「ケアマネの資格は廃止」という噂が流れたと言えます。
しかし、いずれにせよケアマネの資格が廃止されるというのは考えにくく、今後も専門職としての地位は変わらないでしょう。
ケアマネは今後どうなる?将来性について

「資格が廃止されないのはわかったけど、今後の将来性はどうなの?」と疑問に感じるかもしれません。
ケアマネの将来性については多くの議論がありますが、大きく変わらず需要は高いままであると言えます。
しかし、「ケアマネは必要ない」という声や、国家資格化の議論・更新研修についてなど気になる点は多いでしょう。
ここからは、ケアマネの将来性に関するさまざまな議論に対する見解を解説します。
ケアマネは「必要ない・いらない」という声もある
基本的にケアマネの需要は高いままですが、中には「必要ない」という声も。
否定的な声の原因には、AIによるケアプラン作成の効率化が社会的な背景としてあります。
たしかに、AIでケアプランを作成すれば、効率的に多くの利用者に対応できるでしょう。
しかし、ケアマネの役割は、単にケアプランを作成することにとどまりません。
利用者の個々の状況に合わせた支援を提供し、医療や介護の専門職との連携を調整することは、ケアマネにしかできない重要な仕事です。
そのため、ネガティブな意見も見られますが、とても意義のある仕事であり、今後も必要な存在でしょう。
ケアマネジャー(介護支援専門員)は国家資格化する?
2024年10月現在、ケアマネジャー(介護支援専門員)を国家資格化するという具体的な法改正は行われていません。
しかし、2003年には政府が閣議決定した答弁書に、介護支援専門員資格が「国家資格である」と記載されていたようです。
この出来事を受け、日本介護支援専門員協会など一部の団体が国家資格化に向けて、新たな動きが検討されています。
また、社会福祉士が国家資格であり、ケアマネジャーより給料が高いというデータもあるのです。
これでは、ケアマネを目指す人が少なくなるのも仕方がないのかもしれません。
このような背景もあり、ケアマネの資格廃止が噂されている節もあると言えます。
ケアマネの更新研修は廃止される?
ケアマネの更新研修が廃止されるかどうかについて、2024年10月時点で具体的な決定はありません。
ただし、更新研修の制度見直しに関しては議論が行われており、負担を軽減するための改革案も検討されています。
実際、更新研修は、ケアマネの業務と両立しながらでは時間的な負担も大きいです。
そのため、更新研修の廃止や改正を望む声が多くあります。
改善案としては、更新研修の時間短縮や、オンラインでの講習などが出ているようです。
更新研修については、こちらの記事でも解説していますので、詳しく知りたい方は合わせてご覧ください。
ケアマネージャーの資格についてよくある質問

ここでは、ケアマネージャーの資格についてよくある質問を3つご紹介します。
- 一人ケアマネの今後はどうなる?
- ケアマネの給料は今後上がるの?
- ケアマネになるには?
それぞれ分かりやすく解説していますので、ぜひ参考にしてください。
一人ケアマネの今後はどうなる?
介護業界において、一人ケアマネの需要は今後ますます高まると考えられます。
ケアマネが不足している現在、一人当たりの負担はさらに大きくなるでしょう。
そのため、一人ケアマネにとっては、AIやICTを活用した業務効率化や、他職種との連携が必要不可欠になります。
つまり、需要が高い分、今後はその業務負担に上手く耐えられるように工夫する必要があるでしょう。
ケアマネの給料は今後上がるの?
ケアマネの給料が今後上がるかどうかについて、2024年の介護報酬改定にいくつかの動きが見られています。
介護報酬の改定によって、居宅支援事業所の報酬が微増することが決まりました。
具体的には、ケアマネが担当する件数が一定条件を満たせば、一部で給料が増加する可能性があるというものです。
また、介護報酬改定の一部はケアマネの処遇改善に充てられることが検討されており、特に居宅ケアマネに対する新たな処遇改善加算の創設が求められています。
しかし、これらの増額は、ケアマネの業務量に対して大幅な上昇と見るのは難しいです。
今後、業界全体の処遇改善が進むことが期待されていますが、大幅な改善にはもう少し時間がかかる可能性があります。
ケアマネになるには?
ケアマネになるには、まず介護支援専門員実務研修受講試験、通称「ケアマネ試験」に合格する必要があります。
無資格からケアマネを目指す場合、最短でも8年程度はかかる見込みです。
ケアマネ試験は毎年10月中旬に全国で実施され、マークシート形式で出題されます。
試験内容は複雑で難易度が高いため、試験の合格率は10〜20%前後です。
また、資格取得後は実務研修を受講し、資格の登録を経て正式にケアマネとして働けるようになります。
ケアマネの資格は、介護業界において重要であり、キャリアアップを考える方にとって有意義な資格です。
まとめ

この記事では、「ケアマネの資格は廃止」というのが事実ではないことを示し、その根拠を解説しました。
ケアマネの資格が廃止されるという噂が流れた理由は、以下3つの要因が絡んだことだと言えます。
- 受験資格が厳しくなり、受験者・合格者が減少したこと
- 法改正で管理者が主任ケアマネジャーに限定されたこと
- ケアプランを有料化する案が出ていること
ケアマネジャーは、依然として介護業界における重要な資格です。
AIの発達などさまざまな要因から「必要ない」と言われることもありますが、今後も需要は高いままだと言えます。
ケアマネジャーは、介護保険制度と密接に関わる資格ですので、法改正や制度変更に大きく影響を受けやすいです。
だからこそ、最新の情報を調べるクセをつけることで、ケアマネとして安定したキャリアアップを目指すことができるようになるでしょう。
ケアマネジャーは、負担も大きいですが、利用者のためになる非常に素敵な職業です。
陰ながらではありますが、応援しております。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。