在宅介護サービスに資格は必要?未経験におすすめの資格を3つご紹介

この記事は、以下のような方にオススメです。

  • 未経験から介護の仕事を始めようと考えている方
  • キャリアアップのため、難易度が低く取得しやすい介護の資格を探している方
  • 親の介護に役立つ資格を探している方

この記事では、在宅介護サービスの資格について詳しく解説します。

「介護の仕事に興味はあるけれど、資格や経験がなくて不安」と応募をためらっている方もいるでしょう。

今回は、資格がなくてもできる在宅介護サービスの仕事内容や、資格を取得するメリットについて解説します。
在宅介護インストラクターや在宅介護指導士など、介護の仕事を目指す方やキャリアアップにおすすめの資格も紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

目次

在宅介護サービスは資格がなくてもできる

在宅介護サービスとは、自宅で生活をおくる要介護1〜5の方に提供する、介護保険を利用したサービスです。訪問や通所で、入浴や食事などのサポートを行います。

資格がなくても、在宅介護サービスで働くことは可能です。
介護施設内であれば、有資格者の指導のもと入浴介助などの身体介護も行えます。

求人サイトで「無資格でも大歓迎」「興味があれば業界未経験でもOK」という介護士の募集がよく見られるのは、そのためです。

しかし、基本的に1人で介助にあたる訪問介護の場合は、無資格でできる業務の幅が狭くなります。

↓ 以下で、資格が必要な業務と不要な業務をまとめました。 ↓

業務内容資格の有無
調理や洗濯などの生活補助無資格でも可能
レクリエーションの企画無資格でも可能
送迎業務普通自動車免許 必須
施設によっては介護職員初任者研修が必要な場合も
訪問での身体介護
(入浴やトイレ、食事などの介助)
介護職員初任者研修以上の資格が必須
通所での身体介護
(入浴やトイレ、食事などの介助)
介護職員初任者研修以上の資格が必須
ただし、有資格者指導のもとであれば無資格でも可

洗濯や掃除などの雑務や、現場に出ない事務作業であれば資格は必要ありません。
利用者の体に直接触れて行う身体介護も、有資格者の指導があれば行えます。

しかし、資格があれば1人で身体介護や訪問介護が可能になるため、入社後に資格取得を求められるケースも多いようです。

在宅介護サービスの資格を取得するメリットは3つ

資格がなくても在宅介護サービスで働くことは可能です。
そのため「苦労して資格を取る必要はないのでは?」と感じる方もいるでしょう。

しかし、資格を取得する目的は、業務の幅を広げるためだけではありません。
他にも、さまざまなメリットがあるのです。

以下で、在宅介護サービスの資格を取得するメリットを3つ紹介します。

  • 就職や転職で有利
  • キャリアアップにつながる
  • 親の介護に役立つ

特に、介護業界を未経験の方は資格取得をおすすめします。迷っている方は、ぜひ参考にしてください。

就職や転職で有利

1つ目のメリットは、在宅介護サービスへの就職や転職を有利に進められる点です。

たしかに「資格が無くてもOK」という求人もありますが、「資格必須」の条件がある場合も少なくありません。
資格を取得することで応募できる選択肢が広がり、勤務地や給与など、より条件の良い求人が選べるでしょう。

採用する施設側は、幅広い業務に対応できる即戦力を求めています。
そのため、有資格者の方が就職や転職を有利に進められるのです。

未経験の場合、資格は最低限の知識があることを示す材料にもなります。

また、資格取得のために時間をかけて勉強したという事実は、介護職に対する意欲のアピールにもなるでしょう。

キャリアアップにつながる

2つ目のメリットとして、キャリアアップにつながる点が挙げられます。
資格取得の勉強を通じて、専門的な知識や技術を身に着け、仕事の幅を広げられるのです。

対応できる業務の幅が広がることから、資格を昇進の条件としている施設も珍しくありません。
資格の取得を通じて仕事に対する意欲が認められ、出世につながるケースもあるようです。

資格の有無は、収入にも大きな差を生みます。

厚生労働省によると、2022年の介護職員の平均月給は、無資格の場合27万円であるのに対し、有資格者は32万円でした。
資格を取得してキャリアアップすることで、年間およそ60万円もの差が生まれるのです。

手当がつく資格も多く、キャリアアップして収入を増やしたいと考えている場合、資格取得がおすすめです。
資格を取得してスキルアップを目指す方は、以下の記事も合わせてご覧ください。

親の介護に役立つ

3つ目のメリットは、親の介護に役立つ知識を身に着けられる点です。

突然始まる親の介護に、どうすればいいか分からず途方に暮れてしまう方も少なくありません。

介護の資格取得は、勉強を通して介護保険のシステムや申請方法などについて詳しく学べることから心の準備ができます。
誤飲や転倒など高齢者に起きやすいトラブルに対して正しい知識が身につけられ、いざという時に迅速な対応ができる点も魅力です。

「腰を痛めない補助の仕方」「認知症への正しい声かけ」など、具体的なノウハウも学べるため、体力的・精神的な負担の軽減も期待できます。

未経験者におすすめ!在宅介護サービスの資格3選

在宅介護サービスは、資格がなくても働くことが可能です。
しかし、前述したとおり、資格取得には多くのメリットがあります。

ところが、介護に関する資格は種類が豊富なため「どれを取得すればいいか分からない」と迷っている方もいるでしょう。

ここからは、未経験でも取得しやすい資格や、おすすめの資格を3つご紹介します。

在宅介護インストラクター
  • 介護の基本が学べる資格
  • 通信教育のみで取得可能
介護職員初任者研修
  • 取得することで身体介護ができるようになる
  • 資格手当がつく施設が多い
在宅介護指導士
  • 医療の視点から介護を学ぶ資格
  • 施設経営についての知識も身に着けることができ、管理職へのキャリアアップも目指せる

以降では、平均学習期間や難易度、口コミなども詳しく解説しますので、ぜひ参考にしてください。

在宅介護インストラクター

在宅介護インストラクターは、2020年に誕生した比較的新しい資格です。
在宅介護に必要な知識や技術の習得を証明します。

体に負担のかからない介護法や、介護者のストレスケア、仕事と介護の両立方法など、自分の親を介護する際にも役立つ知識が豊富に学べます。

通信講座で受講でき、自分のペースで学習を進められる点も魅力です。
仕事や子育てと両立しながら資格取得を目指す方も少なくありません。

全カリキュラムを修了すると、自宅で試験を受けられるようになります。
試験はテキストを見ながら受験できるため、「知識に自信がない」という介護職未経験の方にもおすすめの資格です。

在宅介護インストラクターを取得すると、介護に悩む方を対象としたボランティア相談員としても活躍できます。

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受験資格カリキュラム修了者/初学者歓迎
試験自宅で随時受験可能
平均学習期間4か月ほど
難易度「易しい」

テキストを見ながら受験でき、70点以上で合格となるため取得しやすいです。
不合格であった場合も、自宅で好きな時に何度でも挑戦できます。
口コミ親の介護をしている自分にとって、とても勉強になりました。介護の負担が減ったように思います。

介護の基礎がしっかりと学べました。
通信講座で受験できるので、自分のペースで学べるのが良かったです。

介護職員初任者研修

厚生労働省によると、介護職員初任者研修とは「在宅・施設を問わず、介護職として働く上で基本となる知識・技術を修得する研修」とされています。

以前はホームヘルパー2級と呼ばれていましたが、2013年度の介護保険法改正により名称が変更されました。

講義と演習で構成されるカリキュラム(約130時間)を修了後、修了評価試験に合格すると資格が取得できます。

実務未経験でも挑戦できるため、介護職を目指す方が最初に受ける資格として選ばれることが多いようです。
カリキュラムには通学による実技演習も含まれており、技術を直接身に着けられるため、即戦力として活躍が期待されるでしょう。

介護職員初任者研修を取得することで、訪問介護や身体介護など仕事の幅が広がることから、資格手当をつける施設も少なくありません。
介護職を目指す方は、ぜひ取得しておきたい資格です。

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受験資格カリキュラム修了者/初学者歓迎
試験カリキュラム修了後、1時間ほどの修了評価試験あり
平均学習期間1~4か月ほど
難易度「易しい」

定められた試験はなく、カリキュラム修了後に各実地団体が独自に作成した修了評価試験を受験する形式で、試験に落ちる事はあまりありません。

不合格であった場合も、追試などを行い合格にしてくれるスクールが多いようです。
口コミこれまで全く介護の知識はなかったのですが、基礎的な知識を学ぶことができました。

この資格をとって介護職に飛び込みました。
実務経験がなくても受講した事で、知識や実技がある程度理解できています。

在宅介護指導士

在宅介護指導士は、2024年に誕生したばかりの資格です。
ささいな身体の変化にも素早く気づき、医療や看護につなげる訪問介護のエキスパートを目指します。

具体的には、医療の視点を学ぶことで、疾患にあった正しいケアや、誤飲・転倒といったトラブルが発生した際の対応を身に着けます。

また、事業所の経営やブランディングについても学習範囲です。
環境づくりや人材育成などにも視野が広がり、管理職へのキャリアアップにもつながるでしょう。

資格所持や実務経験が必要なことから未経験者には難易度の高い資格ですが、専門性を身に着けることで大きなキャリアアップが目指せることから、ぜひ取得を考えたい資格といえます。

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受験資格介護福祉士、介護支援専門員、社会福祉士のいずれかの資格を所持しており、実務経験が2年以上ある方
試験試験会場にて90分のパソコン試験
平均学習期間4か月ほど~
難易度「やや難しい」

第1回在宅介護指導士認定試験が2024年9月に開催されるため、難易度はまだ分かっていません。(2024年6月現在)

しかし、選択肢からの択一式なので、そこまで難易度は高くないと考えられます。

出題は公式テキストと時事問題に限られているため、勉強のしやすさも魅力です。

よくある質問

通信講座で取れる資格はありますか?

.在宅介護インストラクターや介護福祉士など、通信講座のみで取れる資格も多数あります。
学習期間も3~4か月で取得できる物が多く、手軽さが人気です。

資格がなくても正社員として採用してもらえますか?

未経験・無資格でも、正社員として採用する施設はあります。
しかし、求人数が少なかったり給与面で差が出たりするため、正社員として働きたい場合は資格取得をおすすめします。

在宅介護サービスの資格や職業に年齢制限はありますか?

明確な年齢制限はありません。
65歳以上で定年退職した後も、再雇用で現役として活躍している方がたくさんいます。

まとめ

資格や経験がなくても、在宅介護サービスで働くことは可能です。
しかし、資格があれば幅広い業務で即戦力として活躍でき、採用で有利になったり給与が高くなったりするケースが多いようです。

理想は、介護の仕事に就く前に資格を取得しておくことでしょう。
しかし、「働き始めてから資格を取得した」「資格取得補助を利用して、先輩に教えてもらいながら学んだ」という方も少なくありません。

介護に関する資格の多くは、3〜4か月ほどで取得できます。
手当がつく資格の中には、通信講座のみで取得できる物もあり、実務経験を積みながら資格取得を目指す方も多くいます。

介護の仕事は、人の生活を支える尊い仕事です。「人の役に立ちたい」という気持ちがあれば、資格の有無に関わらず、まずは飛び込んでみるのも良いかもしれません。

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