- 親の介護では、兄弟間のトラブルが起こりやすいと聞くから対策したい
- 兄弟と話し合いを進めるときは、何をどう話せばいい?
- 兄弟間でトラブルが発生してしまったから、解決方法を相談したい
この記事では、親の介護で兄弟姉妹間のトラブルを最小限に抑える話し合いの方法を紹介します。
また、既に発生してしまったトラブルへの解決方法や相談窓口も解説しています。
それぞれの兄弟によって生活環境や仕事の状況は様々ですが、不満を溜め込まない方法をお伝えしますので、ぜひ参考にしてください。
親の介護で起こりやすいトラブル3つ
親の介護が始まると、家族内、とりわけ兄弟姉妹間でのトラブルが発生しやすくなります。
親の介護で起こりやすいトラブルは以下の3つです。
- 誰が介護をするのか?
- 誰が介護費用を払うのか?
- どのような介護をするか?
それでは、それぞれのトラブルについて詳しく見ていきましょう。
1、誰が介護をするのか?
最も多く発生するトラブルは「誰が介護をするのか?」という問題です。
特に、生活環境に差があるほど、それぞれが介護に使える時間も異なります。
なんとなく、「親との距離が近い場所に住んでいる方が介護をしよう」と決めてしまいがちです。
しかし、そのような決め方では介護の負担が平等にならず、後になってトラブルが発生することがよくあります。
最初にきちんと話し合うことで不公平感を無くし、トラブルを未然に防ぎましょう。
2、誰が介護費用を払うのか?
次に「誰が介護費用を払うのか?」という点も、トラブルになりやすいです。
介護を実際に始めてみると、想像以上に多くの費用がかかります。
介護サービスや医療費、介護施設の利用料など、100万円で収まらないことも珍しくありません。
「遠方に住んでいて介護に参加できないから」という理由で、経済的なサポートを任される人がよくいます。
しかし、どれくらいの費用がかかるかが明確でない状態で役割分担を行うとトラブルの元になりかねません。
3、どのような介護をするか?
3つ目に「どのような介護をするか」という介護の方針で食い違うことがあります。
例えば、自宅で介護をするのか、もしくは施設に入居させるのかという点は、家族全員で合意しておくべきポイントです。
親の健康状態や経済状況、介護に使える時間など、様々な要因を考慮した上で、最適な介護方針を決定しましょう。
特に、親が施設への入居を拒む場合や、家族内で自宅での介護にこだわる人がいる場合にはトラブルが深刻になります。
トラブルを未然に防ぐために、専門家に相談したり介護の掲示板で親の介護をしている人の意見を聞くのがオススメです。
後から揉めないための事前対策3つ
ここまで紹介したような介護のトラブルを発生させないための事前対策をご紹介します。
後から揉めないための事前対策は、以下の3つです。
- 親の考えや経済状況を確認する
- 兄弟姉妹間で役割分担を決める
- 介護に詳しい第三者に相談する
それでは、一つずつ分かりやすく解説していきます。
1、親の考えや経済状況を確認する
親の介護を進める上で、最初に行うべき事前対策は、親の考えや経済状況を確認することです。
「親を思うあまり、親の意向とは異なる介護をしてしまっていた」ということも珍しくありません。
そのため、まずは親が「どのような介護を望んでいるか?」「親の方でどれほどの金銭的な支払いができるか?」を正直に話し合うことが大切です。
逆にこのプロセスを省略してしまうと、介護を始めた後に親が介護を拒否したり、兄弟間での負担が増えたりします。
2、兄弟姉妹間で役割分担を決める
次に、兄弟姉妹間で役割分担をきちんと話し合って決めることも重要です。
役割分担を適切に決めないと、誰もやらなくなったり優しい人の負担が増えてしまったりというトラブルに繋がります。
そのため、それぞれの生活状況や物理的な距離、仕事の忙しさ、健康状態などを考慮して役割分担を明確にしておきましょう。
全員の負担を均等にすることは現実的ではないため、お互いが相手への思いやりを持って話し合う必要があります。
3、介護に詳しい第三者に相談する
3つ目の対策としては、介護に詳しい第三者に相談するということが挙げられます。
家族の誰も介護の経験がないという場合、どのようなポイントに注意すべきかを考えるのが難しいです。
そのため、既に親の介護をしている方に意見を求めることも効果的な対策になります。
以下の記事で紹介している「介護の匿名掲示板」などを使えば、個人情報を守った上で介護に詳しい方に相談可能です。
また、複数の人の相談事例を見れるため、介護で悩みやすい箇所を間接的に理解できるでしょう。
兄弟との話し合いをどう進める?
ここからは、実際に兄弟姉妹で話し合う際に、どのような点に注意すれば良いかを紹介します。
介護方針を決める際には、以下の3点を意識することが重要です。
- 遠方の場合でも顔を合わせる時間をつくる
- 親の意見を尊重しながら介護方針を定める
- 全員が納得できる形で役割分担を決める
これらの点を意識することで、トラブルの発生確率を大幅に抑えることができます。
遠方の場合でも顔を合わせる時間をつくる
まず1つ目に意識すべき点は、話し合いの際は顔を合わせる時間をつくることです。
特に、遠方に住んでいる場合、「面倒だし、LINEで済ませてしまおうかな」と話してしまいます。
しかし、LINEだと細かなニュアンスが伝わらなかったり、お互いが感情的になると収拾がつかないため危険です。
会えるのがベストですが、会えない場合はZoomなどオンライン会議でも良いので顔を合わせるようにしましょう。
また、できる限り定期的に話し合うことで、認識のズレを無くすのもオススメです。
兄弟間での連絡を怠ると、誰かが責任を背負い込んだり不公平感が生じる可能性があります。
親の意見を尊重しながら介護方針を定める
次に意識すべき点として、家族で話し合って介護の方針をきちんと定めることが大切です。
介護の方針を決める際、ざっくりと以下のような軸で方針を選ぶことができます。
例えば、親の状態が悪く、「介護の必要性」が高すぎると、自宅では対応できないかもしれません。
一方で、子ども側が「家で介護できる」と判断して、時間を使うことができるなら、自宅で介護することもできるでしょう。
その上で、介護される親が「どのような介護を望んでいるか」を聞いて、意思を尊重できるとベストです。
全員が納得できる形で役割分担を決める
3つ目に、介護に参加する全員が納得できる形で役割分担を決めるようにしましょう。
介護を進める上で、必要となる主な役割は以下の2つです。
- 実際に介護を行う
- 介護に必要なお金を払う
たとえば、とあるケースを例に挙げると、以下のような役割分担です。
- 週4回は、親の自宅に近い弟が介護を行う
- 週2回は、都心で仕事をする兄が介護を行う
- 週1回は、介護サービスを利用する(兄が支払う)
このように、具体的な役割を明確にして、全員が合意できるように話し合うことが大切です。
【Q&A】よくある質問
- 上京した兄弟に、田舎の実家での介護はできません。どうするべきですか?
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実は、遠方からでも介護できる方法は、色々と出てきています。
たとえば、見守りカメラを使えば、危険があったときに遠隔から通知を受けられるのです。
また、高齢者を自動で持ち上げてくれるロボットなども発売されています。そのため、実際に介護をしている兄弟の「ここが大変」という悩みを解決できるような商品を購入してあげてはいかがでしょうか?
- 兄弟間でトラブルが発生したときは、どこに相談すれば良いですか?
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介護について相談できる窓口を5つ紹介します。
- 地域包括支援センター
- 市役所などへの相談
- 居宅支援事業所への相談
- 医療機関への相談
- 民生委員への相談
相談窓口ごとの特徴は、以下の記事で解説していますので、詳しく知りたい方はぜひ参考にしてください。
【在宅で親の介護】老人介護の悩みはどこに相談する?無料の相談窓口を紹介 「親の介護って、どこに相談すればいいの?」と悩む方は多いです。そんな方に向けて、無料で相談できる窓口を5つ紹介します。また、足を運ばずにオンラインで相談できる方… - どうしてもトラブルを解決できず、法的な措置を考えています。
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トラブルが収束する目処が立たない場合は、家庭裁判所へ「扶養請求調停」を申し立てることができます。
この調停は、第三者を介して、家族間のトラブルを法的に整理する手続きです。
まとめ
この記事では、親の介護で兄弟のトラブルを起こさないための方法を紹介しました。
以下の3つをめぐって、親の介護でトラブルが発生することが多いです。
- 誰が介護をするのか?
- 誰が介護費用を払うのか?
- どのような介護をするか?
介護のトラブルを発生させないための事前対策としては、以下の3つがあります。
- 親の考えや経済状況を確認する
- 兄弟姉妹間で役割分担を決める
- 介護に詳しい第三者に相談する
兄弟との話し合いを進める際のポイントも3つ解説しました。
- 遠方の場合でも顔を合わせる時間をつくる
- 親の意見を尊重しながら介護方針を定める
- 全員が納得できる形で役割分担を決める
親の介護は長く続くものです。
そんな中で、兄弟はお互いの悩みを共有できる最も身近な仲間になります。
兄弟で手を取り合い、なるべく家族全員が円満に生活できると良いですね。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。