- 親の介護が始まったけれど、分からないことばかり…
- 相談するにしても、どこに相談すればいいの?
- 相談ってほどでもないけど、話を聞いてほしい
介護を始めると、いろいろな悩みが出てきますよね。
「でも、誰に何を相談すれば良いかが分からない」と悩む方は少なくありません。
この記事では、介護の相談窓口を5つ紹介し、質問例や相談までの流れも具体的に解説します。
また、足を運ぶ時間が取れないという方に向けて、オンラインで完結する相談方法も紹介しますので、ぜひご覧ください。
介護の相談窓口を5つ紹介
介護の悩みを相談する窓口は、大きく分けて5つあります。
それぞれ「どんな内容を相談できるか?」「どんな人にオススメか?」を表にまとめました。
このように、介護に関する相談窓口は複数ありますが、それぞれに目的は異なっています。
そのため、あなたが相談したい内容に対応してくれる窓口を選ぶのが大切です。
ここからは、それぞれの相談窓口の特徴や利用する流れを分かりやすく紹介します。
相談窓口を適切に活用して、介護の不安や悩みを無くしていきましょう。
1、地域包括支援センターへの相談
地域包括支援センターでの相談は、以下のような方にオススメです。
初めて介護をするため、介護について幅広く知りたい方
地域包括支援センターとは、高齢者やその家族が抱える問題に対して幅広いサポートを行う総合型の相談窓口です。
各市区町村に設置されているため、地域密着型で相談に対応することができます。
保健師や社会福祉士、ケアマネジャーといった専門職が常駐しており、介護を初めたばかりの方でも安心して相談できるのが特徴です。
例えば、相談例としては、以下のようなものがあります。
- 介護が初めてなので、何をどうすればいいか分かりません。
- 介護の制度について、詳しく教えてください。
- 地域で行われている介護サービスについて知りたいです。
介護に関する様々な情報を得られるため、相談に行くと確実に悩みを減らせるでしょう。
実際に相談する流れは、以下のステップです。
お近くの地域包括支援センターに連絡して予約を取る
予約日時に地域包括支援センターを訪問し、専門のスタッフと面談する
必要であれば、介護予防プランや今後の介護計画を作成する
もし介護で困ったことがあれば、まずは最寄りの地域包括支援センターに相談するのがオススメです。
2、市役所などへの相談
市役所などへの相談は、以下のような方にオススメです。
介護保険など制度に関する相談をしたい方
市役所の相談窓口では、行政による手続きやサポートを受けることができます。
市役所には福祉課や健康福祉部門などがあり、介護に関する制度について相談可能です。
具体的な相談内容としては、以下のようなものがあります。
- 介護保険を申請したいのですが、どうすれば良いですか?
- 要介護認定を受けるための条件は何ですか?
- 地域に密着している介護サービスを教えてください。
また、相談内容に応じて適切な専門機関などを紹介してもらえるため、次のステップにスムーズに進むことができるでしょう。
実際に相談する流れは、以下のステップです。
お住まいの市役所に連絡して予約を取る
市役所を訪問して、具体的な相談を行う
必要な書類を準備し、制度を利用する手続きを行う
市役所での相談窓口は行政の一環として行われる支援ですので、信頼性が高い点が特徴です。
3、居宅支援事業所への相談
居宅支援事業所での相談は、以下のような方にオススメです。
在宅介護で利用できるサービスを検討したい方
居宅支援事業所は、介護保険でサービスを利用する際に必要なケアプランを作成してくれます。
居宅支援事業所には、ケアマネージャーと呼ばれる専門家が常駐しているのが特徴です。
ケアマネージャーは、介護の知識が広いので、難しい相談にも親身に対応してくれます。
居宅支援事業所への具体的な質問例は、以下になります。
- 親の介護をする際に、負担を減らしたいです。
- 親の状況に合った福祉用具は、どれですか?
- 在宅で利用できる介護サービスは、何ですか?
在宅で親の介護をする際に、訪問介護やデイサービス、福祉用具のレンタルなど、様々な介護サービスを利用できます。
しかし、介護に詳しくない方が、サービスの利用計画を立てるのは簡単ではありません。
居宅支援事業所に相談することで、あなたの状況に合った介護計画を立ててもらえるのです。
居宅支援事業所に相談する際は、以下のステップで利用しましょう。
事業所に連絡して、面談の予約を取る
ケアマネージャーと面談を行う
ケアプランを作成してもらう
定期的にケアプランを見直す機会をつくる
介護が進むにつれて必要となるサービスが変わることは多くあります。
そのため、ケアマネージャーが定期的にご自宅を訪問して状況を見ながら適切なアドバイスを行うのです。
4、医療機関(ソーシャルワーカー)への相談
医療機関への相談は、以下のような方にオススメです。
通院もしくは入院しており、医療的なサポートが必要な方
ソーシャルワーカーとは、社会での生活に困る方の相談に乗る専門職です。
医療機関には、ソーシャルワーカーが配置されていますので、気軽に相談することができます。
例えば、ソーシャルワーカーへの相談は、以下のような内容です。
- 親が退院した後に、在宅でどのようなケアをすれば良いですか?
- 現在の病状であれば、どのようなサービスを受けるのが良いですか?
- 退院後、介護施設に入居できるように調整してほしいです。
このように、ソーシャルワーカーは病院内で、医療と介護の橋渡しを行っています。
実際に、ソーシャルワーカーに相談する流れは、以下です。
相談したい旨を医療機関に伝えて、予約を取る
病院にて、ソーシャルワーカーと面談を行う
介護計画と利用するサービスの調整を進める
医療機関での相談は、主治医や看護師と連携しながら進められるのが一般的です。
そのため、医学的な視点から精度の高い専門的なアドバイスを受けられるでしょう。
5、民生委員への相談
民生委員は、以下のような方にオススメです。
親と離れて暮らしており、地域での支援を必要とする方
民生委員とは、地域の高齢者やご家族に対して、自主的に福祉活動を行う方々です。
彼らは、厚生労働大臣から委嘱される形で、介護や福祉に関する支援を行っています。
以下のような相談を、民生委員に行うと良いでしょう。
- 介護生活の中で、こんなことに困っています。
- 親と離れて暮らしており、見守ることが難しいです。
- この地域では、どのようなサービスが良いですか?
特に、介護に関する情報やサービスについて、住民の目線に立ってアドバイスを提供してくれる点が心強いです。
民生委員は地域の福祉サービスやボランティア活動に専念していることが多く、適切な支援を迅速に紹介することができます。
民生委員に相談する場合は、以下のステップになります。
地域のホームページなどで民生委員の名前や連絡先を入手する
連絡を取って、具体的な支援内容を相談する
継続的に連絡を取りながら、必要なサポートを受ける
民生委員に相談することで、高齢者と離れていても安心して生活できる環境を整えられます。
特に、仕事や育児をしながらの介護では、時間が思うように取れない場合が多いでしょう。
そのようなときは、民生委員に相談することで、新たな解決策が見つかるかもしれません。
足を運ばずに、介護の悩みを相談する方法
ここまでは、実際に面談する形で相談する方法をご紹介してきました。
しかし、「仕事が忙しくて面談の時間が取れない」という方もいるでしょう。
ここからは、移動せずにスマホだけで相談できる方法として、以下の2つをご紹介します。
電話 | コミュニティ | 匿名掲示板 | |
---|---|---|---|
オススメの人 | 会話形式で相談したい人 | 悩みを共有して話したい人 | 完全に匿名で相談したい人 |
特徴 | ・口頭で自分の悩みを伝えられる ・夜間や緊急時にすぐに話すことができる | ・自分と近い境遇の人と交流できる ・悩みに共感し合うことができる | ・プライバシーを守って相談できる ・他の人の相談内容を見ることができる |
口頭で悩みを伝えられる「電話」
介護の悩みを相談する方法として、24時間365日無料での電話相談があります。
いつでも対応しているため、夜間や緊急時にすぐに相談したいというときに頼りになるでしょう。
介護に関する専用のホットラインを設置している自治体は多いです。
電話口では、介護の専門知識を持った相談員が対応しており、具体的なアドバイスやメンタルケアを受けられます。
家庭内での複雑な事情を話す場合などは、電話で口頭で伝えられると安心ですよね。
まずは、あなたの市区町村で介護の相談に対応していないかを確認してみてください。
さらに詳しく「介護の悩みを電話で相談できる場所を知りたい」という方は、以下の記事で解説しています。
介護の疲れを相談しやすい「コミュニティ」
「介護を一人でしていると不安だから、同じような境遇の人と話したいな…」と考える人は少なくありません。
そんな方にオススメなのが、介護に特化したコミュニティです。
コミュニティでは、顔を合わせて相談できることもあり、同じ悩みを持つ人を見つけるのに適しています。
自分より長く介護を続けている人と出会えば、すぐに真似できるような情報を得られることも。
介護のコミュニティはいくつかありますが、選び方も大切ですので、以下の記事で分かりやすく紹介しています。
他の人の相談事例も見れる「匿名掲示板」
電話とは違う相談方法として、匿名掲示板を利用するのもオススメです。
人には話しにくい相談内容でも、匿名掲示板であれば、プライバシーを守りながら相談できます。
「電話でこの悩みを相談するのはちょっと…」という場合は匿名掲示板が良いでしょう。
また、介護に特化した掲示板では、これまで介護で困った人の相談内容を見ることができます。
もしかすると、あなたと同じように悩んでいる人もいるかもしれません。
以下の記事では、完全無料で相談することができる匿名掲示板を紹介していますので、ぜひご覧ください。
まとめ
この記事では、在宅で親の介護をする方に向けて、介護の相談窓口を紹介しました。
以下の5つの相談窓口は、目的に合わせて活用することができます。
- 地域包括支援センター:介護について幅広く知りたい人
- 市町村などの相談窓口:行政による手続き・サポートを求める人
- 居宅支援事業所:在宅での介護サービスを検討したい人
- 医療機関(ソーシャルワーカー):医療的なアドバイスを求める人
- 民生委員:地域密着の支援を求める人
また、足を運んで相談する時間が取れないという方には、オンラインで解決する相談方法もあります。
- 電話
・口頭で自分の悩みを伝えられる
・夜間や緊急時にすぐに話すことができる - コミュニティ
・自分と近い境遇の人と交流できる
・悩みに共感し合うことができる - 匿名掲示板
・プライバシーを守って相談できる
・他の人の相談内容を見ることができる
介護は、身体的な負担だけでなく、精神的なストレスを抱え込みがちです。
一人で背負いすぎず、あなたに合った相談窓口を見つけられると良いですね。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。