この記事は以下のような方にオススメです。
- 親の介護費用って、どのくらいかかるの?
- 親の介護費用は、誰が負担するのが正解?
- 親の介護費用を安く抑える方法を知りたい
親の介護費用は、自宅で介護するか・施設に預けるかで大きく異なります。
また、補助金や介護を楽にするグッズを使うことで、介護費用を大幅に抑えることが可能です。
この記事では、親の介護費用の目安や、介護費用を誰が出すべきかについて解説します。
親の介護費用は、自宅か施設かで違う
親の介護費用は、自宅で介護する場合と施設に預ける場合で大きく異なります。
在宅介護の場合は「4.8万円/月」、施設に預ける場合は「12.2万円/月」が平均です。
施設に入居する際は初期費用がかかる可能性も考えると、約2〜3倍ほどの差があります。
そのため、在宅介護は、親の介護費用を抑えられる選択肢として有効です。
ただし、介護の必要度合いが高くなると、自宅で介護し続けるのが難しくなるでしょう。
将来的には施設に預けることも見据えて、トータルで介護に必要な費用(約580万円)を用意しておくことが大切です。
在宅介護の費用は、平均で4.8万円/月
在宅介護にかかる費用は「平均4.8万円/月」です。
在宅介護における介護費用のデータは以下になります。
1万円未満 | 1万〜2万5千円 | 2万5千〜5万円 | 5万〜7万5千円 | 7万5千〜10万円 | 10万〜12万5千円 | 12万5千〜15万円 | 15万円以上 | 不明 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
7.2% | 22.3% | 17.6% | 13.3% | 2.3% | 4.3% | 1.2% | 5.8% | 26.0% |
このデータによると、最も割合が高いのは「1万〜2万5千円未満」の層です。(不明を除く)
そのため、在宅介護の平均費用は4.8万円ですが、工夫次第で2万5千円未満に抑えることは十分に可能だと言えます。
もちろん要介護度にもよりますが、在宅での介護は費用を抑えやすいことが分かります。
施設に預ける場合は、平均で12.2万円/月
親を介護施設に預ける場合の費用は「平均12.2万円/月」です。
介護施設でかかる費用のデータは、以下になります。
1万円未満 | 1万〜2万5千円 | 2万5千〜5万円 | 5万〜7万5千円 | 7万5千〜10万円 | 10万〜12万5千円 | 12万5千〜15万円 | 15万円以上 | 不明 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
0.4% | 6.3% | 4.7% | 9.1% | 8.7% | 20.9% | 7.9% | 30.7% | 11.4% |
このデータによると、施設の費用では「15万円以上」の割合が最も高くなっています。
10万円を超える割合が高く、在宅介護に比べて約2〜3倍もの費用がかかる見込みです。
ただし、介護施設に預けて10万円未満に抑えられている層がいる事実も見逃せません。
介護施設は入居時に料金がかかることも
介護施設によっては、入居一時金として、入居のタイミングで初期費用がかかる場合があります。
入居一時金の相場は、約10〜20万円です。
しかし、民間の有料老人ホームなどでは、数百万〜数千万円の入居一時金がかかることも。
一方で、公的な介護施設では、原則として入居一時金は不要です。
その分、人気が高く、入居待ちの状況が続いている施設も珍しくありません。
また、初期費用は発生せずとも月々の利用料金が割高になるケースもあるため、注意が必要です。
トータルの費用は、総額580万円が目安
親の介護費用をトータルすると「総額580万円」が目安になります。
以下のデータは、介護の必要度合いで分けて、それぞれに必要な費用を表したものです。
要介護度 (介護の必要度合い) | 一時費用 | 月額費用 |
---|---|---|
要介護1 | 39万円 | 5.3万円 |
要介護2 | 61万円 | 6.6万円 |
要介護3 | 98万円 | 9.2万円 |
要介護4 | 48万円 | 9.7万円 |
要介護5 | 107万円 | 10.6万円 |
平均 | 74万円 | 8.3万円 |
このデータに加えて、親の介護期間は「平均5年1ヶ月(61.1ヶ月)」というデータがあります。
(参照:生命保険文化センター「生命保険に関する全国実態調査」/2021(令和3)年度)
これらのデータを総合すると、以下の式でトータルの介護費用を算出可能です。
「月額8.3万円 × 61.1ヶ月 + 一時費用74万円 = トータル581.1万円」
もちろん介護期間や要介護度によって費用は変動しますが、トータルで580万円が一つの目安になります。
ただし、急な病気による入院などの費用も想定されるため、余裕を持っておくことが大切です。
親の介護費用は誰が出す?
親の介護費用を誰が負担するかについては、親自身の年金や貯金から支払うのが基本です。
しかし、介護が長期化したり予想外の出費が重なったりすると、親の資産だけでは足りないケースも少なくありません。
その場合は、子どもが不足分を補ったり、親の兄弟などの親戚に相談したりすることになります。
また、親が認知症になると、意思疎通が難しくなり、子どもが介護費用を負担しなければならないケースも。
そのため、できるだけ早い段階で、親の介護費用を誰がどのくらい負担するのかを話し合っておくべきです。
介護費用は親が負担するのが基本
親の介護費用は、親自身もしくは夫婦の年金や貯金から支払うのが基本になります。
子どもには、住宅ローンや子どもの学費、老後の蓄えなどが必要です。
そのため、子どもの負担を最小限に抑える方が、後からトラブルになりにくいのです。
実際に、9割以上が介護を必要とする人(あるいは配偶者)の収入・貯蓄から介護費用を支払っているというデータがあります。
介護を要する者(あるいは配偶者)の収入(年金含む) | 介護を要する者(あるいは配偶者)の貯蓄 | 介護を要する者(あるいは配偶者)以外の者の収入・貯蓄 |
---|---|---|
73.6% | 13.5% | 9.1% |
親が介護費用を負担するのは基本ですが、親が支払えないケースも少なくありません。
特に認知症で意思疎通ができなくなると、子どもが介護費用を負担する流れになりがちです。
そのため、早い段階で親の資産状況を確認し、介護費用の分担について話しておくことが大切です。
足りない費用は子どもが分担する
もし親の年金や貯金だけで介護費用を支払えない場合、子どもを中心に負担せざるを得ません。
ただ、子ども自身にも生活があるため、なるべく最小限の負担に抑えたいところです。
子どもの負担を抑えるために、以下のような方法があります。
- 親の兄弟など親族に相談する
- 子ども同士で公平に分担する
- 介護費用自体を安く抑える
この後で、家族(親族や兄弟など)で事前に話し合うべきポイントを紹介します。
親が介護費用を負担する方針を保ちつつ、家族全員で協力して無理のない範囲で支払えるようにしましょう。
家族で事前に話し合うべきポイント
まず、親の資産状況を把握しましょう。
この金額によって「在宅で介護するか」「施設に預けるか」が変わってきます。
次に、主な介護者を決めましょう。
兄弟が交代で介護する、誰か1人が付きっきりになる、介護サービスを利用するなどが主な選択肢です。
資産状況と主な介護者が定まると、介護費用を誰がどのくらい負担するかを考えやすくなります。
たとえば、「親の近くに住む家族が介護を担当するなら、遠方に住む家族が費用を支払う」などの分担が考えられるでしょう。
最後に大切なのが、決定事項をメモとして残しておくことです。
後々のトラブルを防ぐために、家族全体が理解しやすい形で話し合いを記録しましょう。
親の介護費用を安く抑える方法3つ
ここから、親の介護費用を安く抑えるための方法を具体的に紹介します。
- 親の介護に関する補助金を使う
- 安く利用できる介護施設を選ぶ
- 介護を楽にするグッズを使う
長い目で見たときの介護費用を大幅に軽減できますので、ぜひ参考にしてください。
1、親の介護に関する補助金を使う
親の介護費用を安く抑える方法として、介護に関する補助金を使うのが有効です。
この補助金は国や自治体が提供しており、一定の条件を満たせば利用できます。
たとえば、「家族介護慰労金」は、公的な介護保険サービスを利用せず、在宅で家族が介護を行う家庭に現金が支給される制度です。
他には「高額介護サービス費」という制度では、1ヶ月の介護サービス利用料が一定額を超えた場合に超過分が払い戻しされます。
このような補助金を利用するには、申請手続きが必要です。
裏を返すと、申請しなければ補助金を受け取ることができないため注意しましょう。
これらの制度を最大限に活用することで、親の介護費用を安く抑えることができます。
こちらの記事で、親の介護に関する補助金や、お金がない場合の対応を7つ紹介していますので、合わせてご覧ください。
2、安く利用できる介護施設を選ぶ
2つ目の方法として、介護施設を安く利用する方法を知っておくのが大切です。
介護施設によって入居一時金や月額費用が大きく異なるため、ポイントを解説します。
まず、費用が安いのは、特別養護老人ホームや介護老人保健施設、介護医療院、ケアハウスなどの公的な介護保険施設です。
中でも、アクセスがしづらかったり築年数が経っていたりする施設は、費用が安い傾向にあります。
加えて、ご逝去や退去が重なってしまうなど、空室が多い施設では割引をしている場合があります。
さらに、相部屋や多床室であれば、個室に比べて費用を抑えて入居できることが多いです。
このように、安く利用できる介護施設を選べば、費用負担を抑えることができます。
3、介護を楽にするグッズを使う
3つ目に、意外と知られていませんが、介護を楽にするグッズが便利です。
介護を楽にすることで、介護サービスを使わずとも、在宅で介護を続けやすくなります。
たとえば、親をお風呂に入れるのが難しくなったら、プロの入浴サービスを使おうと考えていませんか?
しかし、高齢者の肌にやさしい介護用タオルを使えば、お風呂に入らずとも身体を綺麗にできます。
この介護用タオルは長く使えて約1,400円ですので、約900円の訪問入浴を2回使うよりも安く抑えられるのです。
他にも、高齢者が自力で立ち上がり、転ばないように廊下を歩ける手すりもあります。
この手すりを約500〜1,500円ほどの月額で設置すれば、1回約500円の介護ヘルパーを呼ばずに済むでしょう。
このように、介護する側の負担を減らしつつ、親の介護費用を安くすることができます。
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まとめ
この記事では、親の介護費用について、さまざまなポイントを解説しました。
親の介護費用は、自宅で介護するか・施設に預けるかによって大きく異なります。
- 在宅介護の場合は「4.8万円/月」
- 施設に預ける場合は「12.2万円/月」
トータルの費用として、まとめると以下になります。
- 一時費用は「平均74万円」
- 月額費用は「平均8.3万円」
- トータルの費用は「総額580万円」
※介護期間は平均である「5年1ヶ月(61.1ヶ月)」で計算
親の介護費用を負担するのは、基本的に親自身もしくは配偶者の役割です。
ただ、親の資産だけで足りない場合は、兄弟や親族と協力して支払う必要があります。
親の介護費用を安く抑える方法は、以下の3つです。
- 親の介護に関する補助金を使う
- 安く利用できる介護施設を選ぶ
- 介護を楽にするグッズを使う
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最後までご覧いただき、ありがとうございました。