介護療養型医療施設とは?サービス内容や対象者、費用について徹底解説!廃止や代わりの介護医療院都の違いについても紹介

この記事で解決できるお悩み

  • 長期にわたって、日常的に医療ケアを受けられる施設はあるかな?
  • 介護療養型医療施設のサービス内容や対象者について知りたい
  • 介護療養型医療施設への申請方法や手続きはどうすればいいの?

この記事では、介護療養型医療施設の役割という基本的なところから、サービスを受けるメリット・デメリットまで詳しく解説します。

この記事を読むことで、あなたに合った介護施設を見つけやすくなりますので、ぜひご覧ください。

目次

介護療養型医療施設とは?

介護療養型医療施設とは、病状が安定しており、長期にわたる療養を必要とする要介護者を対象とする施設です。「療養型病院」や「療養病床」と呼ばれることもあります。

施設内では、介護や機能訓練はもちろん、医療的ケアを中心に提供する医療機関という位置づけです。

そのため、終身制による高齢者の住まいというより、医療行為を日常的に受けられる病院のようなイメージを持つと分かりやすいでしょう。

医療処置の内容としては、寝たきりの患者に対して、経管栄養や痰の吸引、インスリン注射などに対応しています。

なお、患者の状態が回復した場合には、退所を求められるという点も病院と似た特徴です。

目的・役割

医療ケアを日常的に受けたい場合に活用し、心身状態を改善するために利用することが一般的です。
例えば、急性疾患になった高齢者が回復期の寝たきり状態であるとします。

その場合、自宅では必要な医療処置が適切に受けられないため、状態を回復させるまでの期間は介護療養型医療施設に入所するといった使い方です。

対象者・利用条件

介護療養型医療施設の対象者は、要介護1〜5と認定された方であることが基本条件です。
さらに条件として、病状が安定しており長期療養が必要な方、伝染病など治療の必要な疾患がない方という条件もあります。

条件は施設によって異なりますので、施設に確認するようにしましょう。

なお、65歳以下の方でも介護認定されている場合は、入居の相談が可能です。

入所にかかる費用

介護療養型医療施設の入所にあたっては、介護保険施設のため初期費用は必要ありません。
月額利用料は以下の内訳で、約9〜17万円となります。

【従来型多少室の月額費用】

内訳基本利用料
居住費¥11,310
食費¥43,350
その他費用¥11,000
介護療養型医療施設サービス費¥29,460
サービス加算¥1,567
合計¥96,687

【ユニット型個室の月額費用】

内訳基本利用料
居住費¥60,180
食費¥43,350
その他費用¥11,000
介護療養型医療施設サービス費¥30,060
サービス加算¥1,567
合計¥146,157

上記の表は要介護3の方の場合であり、あくまでも目安の金額となっています。

他の老人ホームと比較してもかなり安くなっており、自己負担額を抑えることができるでしょう。

提供されるサービス内容

介護療養型医療施設で提供されるサービスは、医療ケアが中心となります。
具体的には、医師による診断や看護師による医療的ケア、歩行訓練、機能訓練などです。

他にも、食事などの身体介護は行われますが、洗濯や掃除、買い物などの生活支援はあまり行われません。あくまでも医療施設という位置づけのため、レクリエーションなどのイベントも開催されないことがほとんどです。

ただ、その分医療的な処置は、痰の吸引や胃ろう、経管栄養、酸素吸入、インスリン注射など幅広く受けることができます。

メリット・デメリット

上記のサービス内容を踏まえ、介護療養型医療施設のメリットとデメリットを整理します。

まずメリットとしては、以下の3つが挙げられるでしょう。

  • 入所の初期費用がなく月額費用も安いため、経済的なメリットが大きい
  • 要介護度が高い方でも安心して入居できるほど、医療的ケアが充実している
  • 容態が悪化した場合、適切な対処を受けられ、一般病棟への移動処置も付いている

反対に、デメリットは以下の3つです。

  • 医療機関として位置づけられているため、イベントやレクリエーションが少ない
  • 多床室(相部屋)が多く、プライベートな空間が限られている
  • 利用は終身制ではなく、状態が改善すると退院を求められる場合がある

このように、メリットとデメリットを整理すると分かるように、公的な医療機関としての色が強い施設になっています。

サービスを受けるには?

入所に必要な申請から手続きまで

介護療養型医療施設への申請は、直接施設に行うことが多いです。
入所を希望する施設を選び、訪問すると申込書などの申請に必要な書類を受け取ることができます。

必要書類に署名のうえ、窓口に提出すると、入所の可否が判断されて結果の通知が来る流れです。
入所可否の判断は、介護の必要性や状態、他の希望者との兼ね合いなどから総合的に行われます。

なお、自分で施設を選ぶのが難しい場合は、病院のソーシャルワーカーや地域包括支援センターに相談することが可能です。

施設を選ぶポイント

施設を選ぶ際は、必ず見学に行くようにしましょう。

ここでは、施設見学のチェックポイントを紹介します。

  • 相部屋でも問題なく生活できそうか
  • 施設の雰囲気が自分に合いそうか
  • 医師や看護職員が介護を意識して対応できているか

また、契約の際には、以下の項目にも注意して確認しましょう。

  • 長期入所はできるか
  • 容態が悪化した場合などに、一般病棟へ移動できるか
  • 料金体系の加算項目に納得できるか

介護療養型医療施設の廃止による介護医療院の設置

介護療養型医療施設は、2023年度末に廃止することが決定しました。
廃止の主な理由は、高齢化などによる制度上の問題が発生したためです。

介護療養型医療施設が廃止されるため、新たな医療的ケアの施設として「介護医療院」が新設されました。

介護医療院の特徴を、厚生労働省では以下のように定義しています。

  1.  経管栄養や喀痰吸引等の日常生活上に必要な医療処置や充実した看取りを実施する体制
  2.  利用者の生活様式に配慮し、長期療養生活をおくるのにふさわしい、プライバシーの尊重、家族や地域住民との交流が可能となる環境が整えられた施設
参考:厚生労働省による「介護医療院とは?

介護医療院については、こちらの記事で詳しく解説していますのでぜひ合わせてご覧ください。

まとめ

この記事では、介護療養型医療施設について紹介しました。

介護療養型医療施設は、公的な医療機関としての色が強く、充実した医療ケアを日常的に受けられる施設になっています。

対象者は、要介護1〜5に認定されていることに加え、各施設における条件を満たしていることが必要です。

費用は、介護保険が適用されることもあり、月額9〜17万円と安価で利用できます。

サービス内容は、医師や看護師による医療処置に加え、機能訓練指導員によるリハビリなどです。

一方で、レクリエーションやイベント、洗濯などの生活支援はあまり提供されていないというデメリットもあります。

サービスを受けるには、施設を選び、直接申し込みましょう。
施設を選ぶ際に困ったら、病院のソーシャルワーカーや地域包括支援センターに相談するのがオススメです。

なお、介護療養型医療施設は2023年度末で廃止されるため、介護医療院など他の医療施設も検討することが重要です。

最後までご覧いただきありがとうございました。

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