訪問入浴介護とは?お風呂の補助をする介護保険サービスの内容や特徴、料金を紹介!提供者やヘルパーを選ぶポイントも解説

この記事で解決できるお悩み

  • 訪問入浴介護とはどのようなサービス?
  • 訪問入浴介護を利用する対象者や料金は?
  • サービスを行う流れや全体としてかかる時間を知りたい

この記事では、訪問入浴介護を検討している方にサービスの内容がイメージしやすいように解説しています。

訪問入浴介護では、家族ではできないサービスを行っていたり、3人がかりで安全に配慮してくれたりするため非常に嬉しいサービスです。

訪問入浴介護サービスについて5分ほどで読めるよう簡単に説明しているので、ぜひご覧ください。

目次

訪問入浴介護とは?

訪問入浴介護とは、風呂に入ることが難しい高齢者の自宅を専門の事業者が訪問し、入浴の介護を行う介護保険サービスです。

寝たきりの状態で自力でお風呂に入るのが困難な高齢者や、家族のサポートだけでは入浴が難しい場合など、様々なケースで利用されます。

健常者にとっては日常的な行為である入浴も、要介護者の高齢者にとっては事故の危険と隣り合わせです。
衣服を脱ぐこと、体を洗うこと、浴槽をまたいで湯船に浸かることが難しいだけでなく、すべって転倒することがあれば身体状態に大きく影響が出てしまいます。

そのため、専門家による支援のもと、安全に入浴をできることは家族にとっても安心できるでしょう。

身体をきれいにするためにはタオルで拭くことも考えられますが、湯船に浸かることで心身機能の維持や回復にも繋がります。そのため、要介護度が高い人でも訪問介護を利用して定期的に入浴することが重要です。

対象者・利用条件

訪問入浴介護の対象者は、要介護1〜5の認定を受けており、医師から入浴を許可されている人が対象となります。 

そのため、訪問入浴介護を利用する際は、事前に医師から入浴の許可書をもらっておくとスムーズです。

なお、要支援1〜2の方でも、自宅に浴室がない場合や、その他の施設での入浴が困難な場合は、介護予防訪問入浴介護というサービスを受けられます。

所要時間

訪問入浴の所要時間では、一連の流れを約50分程度で行います。
サービスの提供時間は、平日朝8時半〜夕方18時までくらいの事業所が多いです。

大まかな時間配分は以下のようになります。

  1. 入浴前の健康チェック・浴槽の準備や脱衣:15~20分
  2. 入浴:10分
  3. 入浴後の健康管理や・浴槽の片づけや着衣:15~20分

単位を基準にした料金表

訪問入浴介護の料金は、洗う範囲によって変わります。

要介護1~5の料金は以下です。

洗浄範囲1回あたりの料金
全身浴1,260円
部分浴1,134円
清払1,134円
参考:厚生労働省による「介護報酬の算定構造

要支援1~2の料金は要介護の場合と料金が異なります。

洗浄範囲1回あたりの料金
全身浴852円
部分浴767円
清払767円
参考:厚生労働省による「介護報酬の算定構造

訪問入浴介護のサービスの流れ

訪問入浴では、専用の入浴車で自宅を訪問する形で行われます。
職員の体制としては、介護職員2名と看護師1名の3名で行うことが一般的です。 

訪問入浴車で運んだ浴槽を使って入浴するので、寝たきりの方でも安心して入浴できます。
ここから実際に入浴の流れについて、以下の手順を細かく解説していきます。

  1. 入浴前の健康状態チェック
  2. 脱衣・入浴の準備
  3. 入浴
  4. 着衣・入浴後の健康チェック
  5. 片付け

1、入浴前の健康状態チェック

訪問入浴当日は、入浴車が利用者の自宅に到着すると、まず初めに看護職員が健康チェックを行います。健康チェックをする理由は、入浴前後で事故を起こさないよう、その日に入浴できる状態かどうかを判断するためです。

もし入浴できない体調であると判断された場合は、一般的に部分浴や半身浴、身体をタオルで拭くサービスに変更できます。

健康チェックの主な内容としては、血圧や脈拍、体温などの測定です。
また、バイタルチェックだけでなく、ストレッチャー型の体重計を用いて体重測定を行う場合もあります。

2、脱衣・入浴の準備

健康チェックが終わり、入浴可能と判断されたら、介護スタッフが浴槽の準備を開始します。

浴槽の準備として、利用者の自宅内に2畳程度の空間を確保して、浴槽を組み立てて設置します。
浴槽を床に置くときは、床が濡れないように防水シートやマットを敷くことが一般的です。

簡易浴槽を使うメリットとして、事故を防いだり掃除の手間を省くことができます。

その後、浴槽に適温のお湯を張るため、訪問入浴車に積まれているお湯や、利用者宅の浴室からお湯を引いてくる作業です。

浴槽の準備が終わると、利用者の脱衣を行います。
利用者が寝たきりである場合などは、脱衣の際に2人以上で介助することが多いです。

3、入浴

浴槽を整え終わったら、利用者を浴槽に入れるため、ベッドから浴槽に移動させる介助が必要です。
移動の際、転倒などの事故が起こらないように、細心の注意を払って移動を行います。

利用者が浴槽に入ることができたら、優しく身体を洗い始めます。
洗うときは、肌を傷つけないように優しく洗うことが基本です。

一通り体を洗い終えると、浴槽にゆったりと浸かり、リラックスしてもらいます。
体に負担をかけない姿勢で入浴できるように、浴槽に取り付けるタイプの入浴枕が用いられる場合もあります。

最後は、シャワーで上がり湯をかけて入浴が終了です。

4、着衣・入浴後の健康チェック

入浴を終えると、体調の変化や異常がないかを確認するための健康チェックが行われます。
血圧や脈拍、体温を測定し、もし皮膚に異常がみられる場合は、軟膏の塗布などのケアが必要です。

一通り健康チェックや処置を終了したら、利用者の着衣を行います。

5、片付け

着衣や健康チェックと同時進行で、スタッフが浴槽などの片付けを行います。
使用した浴槽を片付け、入浴の際に移動させた家具を元の場所に戻して、サービスは終了です。

入浴に使ったお湯は、専用のポンプで利用者宅の排水溝やトイレに流します。

まとめ

この記事では、訪問入浴介護のサービスについて紹介しました。

訪問入浴介護サービスを実際に利用した方からは「高齢者本人も気持ち良さそうで、家族の負担も軽減できる」などの好意的な声が多くあります。

サービスの流れとしては、約50分の内に5ステップが行われます。

  1. 入浴前の健康チェック
  2. 脱衣・入浴の準備
  3. 入浴
  4. 着衣・入浴後の健康チェック
  5. 片付け

入浴サービスの一連の流れにおいて、面倒な後片付けなども必要ありません。
また、健康チェックもしてくれるため、高齢者のお風呂の介護負担に悩んでいる方にはオススメです。

最後までご覧いただきありがとうございました。

また、こちらの記事では訪問入浴介護と同様に、家族では難しい医療的なケアを自宅で受けられる居宅療養管理指導について詳しく紹介していますので、ぜひご覧ください。

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