この記事は、以下のような方にオススメです。
- 親が寝たきりになり、家族で在宅介護できるか不安な方
- なるべく長く在宅介護できるよう、コツや注意点を知りたいご家族
- 認知症やALSなどを在宅介護できる限界が知りたいご家族
この記事では、寝たきりの在宅介護について詳しく解説します。
「できるだけ自宅で過ごさせてあげたい」という思いから、在宅介護を選ぶご家族は少なくありません。
しかし、痰の吸引など難しいケアが必要なケースもあり、介護の負担が大きいことから、「無理なのでは?」と悩んでいる方も多いでしょう。
今回は、寝たきりを在宅介護する際に必要となるサポートや注意点について、詳しく解説します。
あわせて、寝たきりにつながる病気として、認知症やALSについても説明するので、ぜひ参考にしてください。
寝たきりとは1日の大半をベッドの上で過ごす状態
寝たきりといっても、介護度や病気によって症状はさまざまです。
では、どのような状態を寝たきりと呼ぶのでしょうか。
厚生労働省の「障害高齢者の日常生活自立度(寝たきり度)」によると、以下の状態を寝たきりと呼ぶそうです。
おおよそ、要介護4〜5の方が上記に当てはまります。
- 寝たきりランクB
-
- 日中はベッド上での生活が主体
- 車椅子を利用して外出も可能
- 座位が保て、介助があれば食事や排せつはベッドから離れて行える
- 寝たきりランクA
-
- 常にベッド上で生活
- 排せつ、着替え、食事の介助が必要
寝たきりと聞くと、ベッドから起き上がれず外出もままならない方を想像する方が多いでしょう。
しかし、家族と食卓を囲んだり、介助があれば外出も楽しんだりできる方も、寝たきりに含まれます。
寝たきりに必要な介護とは?
寝たきりを在宅介護する場合、生活のさまざまな面でサポートが必要です。
\ 以下に、代表的な介護をいくつか紹介します。 /
座位を保つことができ介助によって歩行可能な場合は、食卓まで移動介助します。
噛む力や飲み込む筋肉が弱っているため、柔らかくとろみのある食事を準備する必要があります。
上記以外にも、歯磨きや着替えなど、多くの場面でサポートが必要です。
介護度が進むと、点滴の管理や痰の吸引といった医療行為が必要になるケースも出てきます。
唾液の吸引など夜間に必要な作業もあり、毎日24時間続く介護に限界を感じる方も少なくありません。
ご家族だけで介護するのではなく、ヘルパーやデイサービス、訪問看護などを上手に利用して負担軽減をはかりましょう。
無理なく介護が続けられるよう、便利な介護グッズを活用するのもおすすめです。
寝たきりの在宅介護で「無理」「限界」と感じるのは当たり前
寝たきりの在宅介護は、体力的にも精神的にも大変な作業です。
10年以上続くケースも珍しくなく、介護は長く続くものだといえます。
24時間気が休まらず、10年以上続くかもしれない介護に「無理」「限界」と思ってしまうのは、当然の感情といえるでしょう。
一方で「自分さえ我慢すれば何とかなる」と考える方も少なくありません。
しかし、無理を続ければ、いつかは限界がきてしまいます。
在宅介護の場合、寝たきりの方と介護者が1対1になることも多く、ストレスから虐待につながることも。
便利な介護グッズを使ったり、ヘルパーや訪問看護をうまく利用して負担を軽減しましょう。
それでも「介護がつらい」と感じた際は、一人で悩まずケアマネジャーや介護相談窓口などで相談してください。
誰かに話すことで精神的な負担も軽減されますし、利用できる介護保険サービスについて、一緒に考え解決にむけて動いてくれるでしょう。
認知症やALSを家族で在宅介護するコツ
ここまでは、寝たきりの在宅介護がどのようなものかを説明してきました。
ここからは、寝たきりにつながる病気として、認知症とALSの在宅介護について解説します。
それぞれの症状にあわせた注意点を理解することで、事故や悪化の防止が期待できます。
「無理」「限界」と感じるときこそ、楽な介護のやり方を知ってほしいです。
あわせて、施設入所の目安についても解説するので、ぜひ参考にしてください。
認知症は家族で見守れる病気?在宅介護の割合は50.18%!
認知症からの寝たきりは体が健康なことが多く、在宅介護をしやすいためと考えられます。
認知症は、注意点やコツをつかめば、在宅で介護を続けられる病気なのです。
一方で「体が元気なら、なぜ寝たきりになるの?」と疑問に思う方も多いでしょう。
たしかに、認知症は記憶力や理解力が低下し、日常生活に支障をきたす病気です。
しかし、症状が進行すると運動の指令を出す大脳の働きが悪くなり、寝たきりになるのです。
家族で在宅介護する場合は、寝たきりの進行を防ぐためにも、リハビリを継続し運動機能の維持が大切です。
また、徘徊による転倒から寝たきりになることも少なくありません。
玄関や鍵に工夫をしたり、見守りグッズを利用したりして対策しましょう。
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寝たきりの認知症を在宅介護する場合の注意点
認知症になると、体の不調に気づき伝えることが難しくなるため、ご家族による健康管理が必要です。
不機嫌が続いたり、呼吸音に異変があったりする時は、すぐに主治医に相談しましょう。
「ほとんど寝たきりのはずなのに、徘徊で外出してしまった」という話もよく耳にします。
普段寝たきりの方は筋力が低下しており転倒しやすく、ケガがきっかけで寝たきりが進行してしまうケースが多いのです。
寝たきりであっても気を抜かず、外鍵をかけたり見守りグッズを利用したりといった対策をしましょう。
また、認知症の在宅介護は、いつまで続くかわからないストレスや、コミュニケーションの取りにくさから、ご家族の精神的負担が大きい事で知られています。
介護疲れから、虐待や放置につながることも少なくありません。
デイサービスやヘルパーをうまく利用して、ご家族の息抜きを心がけることも在宅介護を長く続けるコツのひとつです。
家族による認知症介護、限界の目安は介護者の精神的負担
施設入所は、介護度や症状ではなく、ご家族が感じている精神的負担の大きさを目安にします。
具体的には、以下の通りです。
- 介護するご家族が高齢で、体力的につらい
- 常に介護の悩みがつきまとい、イライラしたりやる気が起きない
- 寝ても疲れが取れない、または眠いのに眠れない
- 食欲がなく、体重が減少している
「自分さえ我慢すれば、まだ在宅介護できる」と考える方もいるでしょう。
しかし、無理をしてストレスをためることで介護うつになり、虐待や放置につながる場合もあるのです。
ALSを在宅介護するのは無理ではない
ALS(筋萎縮性側索硬化症)とは、脳から体を動かすための指令が伝わりにくくなり、筋肉が衰えていく神経の病気です。
進行すると寝たきりになり、嚥下や呼吸にも障害が出ます。
国の指定難病にもなっており、在宅介護は無理だろうと考える方も多いでしょう。
しかし、実際は在宅介護を選択するご家族も少なくありません。
ALSは人工呼吸器を使用しなければ、発症から2〜5年が平均寿命とされています。
決して長くないからこそ「少しでも長く一緒に過ごしたい」「最期を自宅で迎えさせてあげたい」という思いから、在宅介護を選ぶご家族が多いのです。
寝たきりのALSを在宅介護する場合の注意点
病気が進行し寝たきりになると、体を動かす機会が減少します。
その結果、まだ病気の影響を受けていない嚥下や呼吸などの筋肉も衰え、機能しなくなることがあるのです。
肩や肩甲骨のストレッチなどリハビリを行い、筋力維持を心がけましょう。
また、喉の筋力が衰えてくると会話が難しくなるため、まばたきや視線で意思疎通をはかる工夫が必要です。
ALSには、明確な治療法が見つかっていません。
認知機能に影響はなく、はっきりとした意識の中で徐々に動けなくなっていくALS患者の葛藤は、はかり知れません。
ALSの在宅介護、限界の目安は医療的ケア
ALSが進行すると、人工呼吸器や胃ろうの管理が必要になります。
また、痰の吸引など、テクニックが必要な医療行為を24時間体制で行う必要があるため、ご家族のみの介護は負担が大きくなります。
医療行為が必要になる時期を目安に、施設入所を検討してください。
その際は、看護師が24時間常駐し、夜間でも医療行為が受けられる施設を選ぶ必要があります。
「良い施設が見つからない」「ギリギリまで在宅でがんばりたい」という場合は、重度訪問介護という制度も利用できます。
重度訪問介護では、普通の訪問介護とは異なり、時間の制限がなく、交代で常にヘルパーに来てもらうことが可能です。
【Q&A】よくある質問
- 痰の吸引は医療行為ですが、資格がない家族でもできますか?
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資格を持たないご家族が痰の吸引をする場合は、以下の条件が必要です。
- 患者の同意が得られている
- 患者の療養目的である
- 医師や看護師によって病状が管理されている
- 痰の吸引が正しくできているか医師や看護師の確認ができている
- 不定期に痰の吸引が必要になり家族でなければ対応できない
- 痰の吸引をすることで患者の日常生活が向上する
- 寝たきりの状態から回復することはありますか?
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寝たきりになった原因や期間にもよりますが、リハビリで寝たきりから座位を保てるようになったり、車椅子への移乗ができるようになったりした方も多くいます。
- 寝たきりでも生きがいが持てるような楽しみはありますか?
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映画鑑賞や本の朗読、新聞の読み聞かせは、寝たきりの方の心を動かし、脳が活性化するためおすすめです。
タブレットやパソコンを利用して将棋や碁を楽しむのも良いでしょう。
お友達やネット上で通信対戦することで、孤独感の解消も期待できます。
【まとめ】介護の負担を減らすなら「ラクカイゴ」
家族による寝たきりの在宅介護は、決して不可能ではありません。
住み慣れた場所で家族との時間を大切にしたいと考え、在宅介護を選択する方も多くいます。
少しでも長く自宅での介護を続けるためにも、ヘルパーやデイサービスなどを活用し、ご家族の息抜きを心がけましょう。
また、便利な介護グッズや保険外サービスなどを利用するのもおすすめです。
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