特別養護老人ホーム(特養)とは?費用や介護老人福祉施設との違いをわかりやすく解説

この記事で解決できるお悩み

  • 特別養護老人ホーム(特養)は、どんなサービスが受けられる?
  • どのような人にオススメの介護施設?
  • 利用するにはどのように、申請や手続きを行えばいい?

この記事では、特別養護老人ホーム(特養)について丁寧に解説しました。

自宅での介護が困難になった方や入居を迷っている方は、施設を選びやすくなると思いますので、ぜひご覧ください。

目次

特別養護老人ホーム(特養)とは?

特別養護老人ホームとは、介護サービスと要介護者の居住場所を提供するように設計されており、介護保険が適用できる公的施設です。

介護保険上では、介護老人福祉施設とも呼ばれ、法律でも定義されています。

65歳以上の者であって、身体上又は精神上著しい障害があるために常時の介護を必要とし、かつ、居宅においてこれを受けることが困難なものを入所させ、養護することを目的とする施設

参考:老人福祉法第20条の5

在宅での生活が困難になった要介護の高齢者や認知症の方が入居しています。
なお、24時間生活でき、看取りにも対応しているため終身利用が可能です

介護保険が適用されており、民間運営の有料老人ホーム等に比べ安く利用できるため人気があります。

対象者・利用条件

特養の入所条件は、原則として65歳以上の高齢者であり、「要介護3」以上の認定を受けた方となっています。

ただし、要介護1~2の方でも特例として入居を認められるケースがあります。具体的には以下の条件に当てはまる方です

  • 認知症により、日常生活に支障をきたす症状や、行動やコミュニケーションの困難を伴う場合
  • 精神遅滞や精神障害などを伴い、日常生活や行動、コミュニケーションに支障をきたす症状を示すことが多い場合
  • 介護者の虐待が疑われ、高齢者の安全が確保できない場合
  • ひとり暮らしの高齢者や同居家族の支援が期待できず、地域での介護サービスや生活支援が十分に提供されていない場合

なお、入居条件に当てはまっていたとしても、認知症で危害を加えたり感染症を持っていたりして、集団生活が難しいと判断されると入居ができない可能性があります。

デイケアの月額料金

特養を利用するにあたって発生する居住費と食費を表でまとめましたので、参考にしてください。

居住タイプは、ユニット型個室・ユニット型個室的多床室・従来型個室・多床室の4タイプから選ぶことができ、居住タイプによって月額の居住費が異なります。

区分利用料金
ユニット型個室60,180円
ユニット型個室的多床室50,040円
従来型個室35,130円
多床室25,630円
食費43,350円
参考:厚生労働省による「介護保険施設における負担限度額が変わります

なお、民間の有料老人ホームと異なり、入所一時金は不要です。

サービス内容

特別養護老人ホームでは、利用者の状態に合わせた様々なサービスが提供されます。

  1. 身体状況に合わせた食事
  2. 週2回の入浴
  3. 排泄の介助
  4. 自立を支援するリハビリ
  5. 掃除・洗濯などの生活支援
  6. レクリエーション・イベント

それぞれについて、紹介していきます。

1、身体状況に合わせた食事

特養での食事は、家庭と同じような時間帯・内容で提供されており、入居者の楽しみの1つです。 

調理や保温の方法などを厳しく管理し、栄養バランスや入居者の状態に合わせた食事を提供しています。 

また、利用者の体調に応じてミキサーにかけ、食べやすい形で出してもらうことも可能です。 
できるたけ起き上がって食事を摂ることで、自立を促します。

2、週2回の入浴

基本的に入浴は週2回となっています。
入居者の体調に合わせて、入浴の介助を行ったり、清拭をしたりします。

寝たきりの方の場合、特殊な機械浴槽や入浴剤などを使用して安全に入浴することができます。

3、排泄の介助

特養では、排泄に関しても介助を受けられるため安心です。
トイレまで移動できる入所者の方は、誘導しトイレでの排泄を促します。

寝たきりの場合、ベッド上で排せつ介助を受けることが可能です。

4、自立を支援するリハビリ

施設内では、利用者の心身機能の状態に応じて、自立支援を目的としたリハビリが行われます。

食事を初めとした生活動作の維持・回復や、作業療法士などによる本格的なリハビリが多いです。

特養を見学する際、リハビリの内容や雰囲気を確認しておくとよいでしょう。

5、掃除・洗濯などの生活支援

施設職員や業者が居室や共有スペースの掃除を定期的に行ってくれます。

洗濯についても施設に依頼することができますが、クリーニングなどには別途費用がかかることが多いです。

6、レクリエーション・イベント

レクリエーションに力を入れている特養が多くあります。

具体的な内容には、折り紙や習字、脳トレゲームなどリハビリに繋がるリハビリがあります。
他にも、桜を見たりクリスマスを祝ったりと年中行事も反映した様々なプログラムが企画されます。

レクリエーションをすることで、楽しみながら生活できるため家族も安心できるでしょう。

特養を利用するには?

申請方法から手続きまで

特養への入居手続きは難しくありません。以下のステップで申請することができます。

  1. 入所を希望する施設に訪問もしくは郵送し、申し込み書類を入手
  2. 入居申込書や介護保険証のコピーなどの提出に必要な書類を揃える(施設や地域によっては、介護認定調査票の写しや健康診断書などが必要になる場合があります)
  3. 必要書類を揃えることができたら、入所を希望する施設に直接申し込み
  4. 入所が決まったら、いつから入所するかを施設側と調整
  5. 自宅もしくは施設で、契約書や重要事項説明書、身元引き受け書などの多数書類に署名・捺印
  6. 入所が完了したら、特養で生活することになるため住民票を特養の所在地に異動

以上の手続きで入居することができます。

入居したい場合、まずは希望する施設からに見学も兼ねて訪問し、申し込み書類を受け取るのがよいでしょう。

メリット・デメリット

特養のメリットとしてまず挙げられるのは、費用の安さです。
24時間の生活を1か月行っても、10万円ほどで利用できます。

また、看取りを受けられるなど長期入所が可能であることも魅力です。
終身まで利用することができるため、長期間入所したい人は検討するとよいでしょう。

一方でデメリットとしては、入居するまでの待機期間が長くなることです。
長期間での入居が可能な人気施設のため、場合によっては数年かかる可能性もあります。

また、常に看護師がいるわけではないため、医療処置が必要な方には不向きかもしれません。

他の介護施設には、介護療養型医療施設などがありますので合わせてご確認ください。

まとめ

この記事では、特別養護老人ホーム(特養)について解説しました。

特養は、在宅での生活が困難になった要介護の高齢者や認知症の方が終身利用できる介護施設です。

対象者は、原則として要介護3以上の方となっていますが、月額で10万円ほどと安く利用できるため人気があります。

サービス内容も、食事や入浴、排泄といった基本の動作への介助からリハビリ・レクリエーションまで多岐にわたっています。

特養を利用したい場合は、希望する施設に見学も兼ねて申請書類を受け取りに行くのがオススメです。

最後までご覧いただきありがとうございました。

特養を利用するか考えている方にオススメな介護老人保健施設(老健)について詳しく解説していますので、合わせてご覧ください。

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