この記事で解決できるお悩み
- 家族が要支援1と認定されたけれども、どのような状態かわからない
- 要支援1と認定されるためには、どうしたらいいの?
- 要支援1になることで、受けられるサービスは何?
急な介護となると、不安になる方も少なくありません。
この記事では、要支援1の状態や症状といった基本的な内容から、認定されるための基準や認定された後で利用できるサービスについても詳しく解説します。
要支援1の方への対応の仕方について5分ほどで理解できますので、ぜひご覧ください。
要支援1とは?

最も介護度の低い状態
要支援1の高齢者は、日常生活の中で基本的なことをすることはできますが、一部の生活動作については介護が必要な状態です。
具体的には、以下のような状態が挙げられます。
- 食事、洗面、着替えなどを完全に独立して行うことができない。
- 立ち上がる際に1人で起き上がることができない。
- 移動や散歩などを完全に独立して行うことができない。
- 自分自身で家事をこなせない。
このように、要支援1の高齢者は、一般的に自立して生活することができるが、介護が必要な部分があるということです。
一般的に、要支援1の高齢者に対しては、家族や近所の方など、身近な人が介護をすることが多くあります。また、生活の自立を維持するために適切な支援を行うことも必要です。
抱えている症状の例
要支援1の高齢者は、一部の記憶や認知能力に欠陥がある場合があります。
- 日常生活において必要な情報を理解し、適切に適用することができない。
- 記憶力に欠けがあり、過去のことを覚えることができない。
- 現実と幻想を吸収することができない。
- 環境に対する認識に欠けている。
- 計画や目的を立てることができない。
要支援1に区分される要介護者の平均年齢

要支援1の平均年齢は、以下のようになっています。
年齢 | 人数 |
---|---|
40~64歳 | 6,000人 |
65~69歳 | 9,200人 |
70~74歳 | 26,900人 |
75~79歳 | 47,000人 |
80~84歳 | 86,900人 |
85~89歳 | 99,400人 |
90~94歳 | 53,900人 |
95歳以上 | 11,900人 |
要介護1以上の人数に比べて全体的に人数が少ない傾向があります。
毎月かかる費用の平均金額
生命保険文化センターの「平成30年度 生命保険に関する全国実態調査」によると、要支援1の要介護者には、平均で毎月5.8万円かかるという調査結果が出ています。
要支援2の方は、毎月5.4万円になっていることを考えると、必要なものを取捨選択して介護サービスを受けることが重要です。
要介護度が上がると支給限度基準額がどのように変化するかを知りたい方は、こちらの記事も合わせてご確認ください。
要支援1に認定されるには?

認定にあたって必要な基準
要介護認定には、厚生労働省が定めた「要介護認定等基準時間」というものがあり、要介護者を介護するために必要な時間を表しています。
要支援1に必要な基準時間は「25分以上32分未満」とされており、最も低い基準です。
他の介護度と比べると、要支援2は必要な基準時間が「32分以上50分未満」となっています。
ここから、要支援1に認定されるまでの流れや手続きについて説明します。
要支援1を認定するまでの流れ
- 介護保険被保険者による申請: 介護保険被保険者(またはその家族など)が、当該地域にある自治体の介護保険担当窓口に対して、要支援の認定を申請します。
- 介護調査: 申請を受けた市町村が、申請者の家庭環境や状況生活などを調査し、要介護度の評価を行います。
- 要介護度の決定: 調査結果に基づいて、申請者の要介護度の決定があり、申請者に通知されます。
認定されるときの評価基準
一般的に、要介護認定評価は、健康状態・生活の自立度・介護に必要な支援の程度などを考慮して行われます。
具体的には、以下の項目が評価されるようなことがあります。
- 生理機能(食事、排泄、睡眠、動作など)
- 精神状態(意識、認知、意志、行動など)
- 生活動作(身体的な生活動作、空間移動、コミュニケーションなど)
- 生活環境(居住環境、社会的なサポート、経済的な状況など)
このような評価基準から、介護に必要な時間が1日あたり「25分以上32分未満」と判定された場合、要支援1となります。
要支援1と認定されることで得られるメリット
要支援1と認定されることで、介護予防サービスを受けられるというメリットがあります。
介護予防サービスとは、高齢者が要介護状態に陥らないように、生活機能を維持し改善するためのサービスです。
さらに、介護保険による介護費の支払いの対象となり、介護費を減らすことができるメリットがあります。
各介護度における支給限度額をこちらの記事で解説していますので、ぜひご覧ください。
要支援1で利用できるサービスを例も交えて紹介

要支援1に認定された場合、先に説明したように介護予防サービスを受けることが可能です。
要支援1で受けられる介護予防サービスは大きく4つに分類できます。
- 自宅に介護の専門員が来てくれる介護予防サービス
- 施設に通う形での介護予防サービス
- 短期で施設に宿泊するサービス
- 福祉用具を借りたり買ったりできるサービス
自宅で受けられる訪問介護サービス
介護予防サービスの中には、居宅介護サービスという自宅で受けられるサービスがあります。
要支援1の高齢者は、居宅介護サービスを受けることが一般的です。
居宅介護サービスでは、基本的な生活動作をするために必要な支援を受けることができます。 具体的には、以下の支援を受けることができます。
介護予防訪問入浴介護
内容としては、スタッフが入浴の介助を行います。
事前にケアマネジャーとプランを立て、どのように入浴するかを考えます。さらに、身体状態の確認を行ってくれる場合もあります。
介護予防訪問リハビリ
理学療法士や作業療法士、言語聴覚士などが自宅へ訪問し、高齢者の生活機能を維持し改善します。
具体的には、マッサージを受けたり、コミュニケーションの改善を受けたりします。
介護予防訪問介護
介護福祉士や訪問介護員、看護師などが自宅へ訪問し、身体介助や家事のお手伝い、医療的なケアを行います。
施設に通う介護予防サービス

要支援の方でも介護施設に通い、要介護度が上がらないように心身の状態を維持・改善することができます。
具体的には、以下のようなサービスが受けられます。
介護予防通所リハビリ
要支援者の状態を今よりも悪化させないことを目的として、日帰りで利用できるデイサービスです。
リハビリ施設に通い、リハビリテーションを受けることができます。
施設に泊まるサービス
施設に日帰りで通うだけでなく、宿泊するサービスも利用できます。
宿泊することで、24時間いつでも支援を受けられる状態になるため、安心です。また、家族の負担を軽減できることもメリットでしょう。
介護予防短期入所生活介護
介護老人保健施設や特別養護老人ホームなどに短期間入所して受けられるショートステイサービスです。療養生活による生活機能の改善が期待できます。
また、要支援者の家族が時間を確保できることも特徴です。
介護予防短期入所療養介護
医療機関や高齢者介護福祉施設などで医療ケアを受けながら、短期で宿泊できる医療型のショートステイサービスです。
上記のショートステイサービスに比べ、心身の状況が悪化していたり医療の必要性が高かったりする場合に適しています。
福祉用具をレンタル・購入できるサービス

要支援者が必要な福祉用具をレンタルしたり、購入したりできる介護保険サービスがあります。
実際に購入するか迷う場合も、一度レンタルして試してみることができるのは魅力です。
介護予防福祉用具貸与
専門知識のある業者から福祉用具をレンタルできるサービスです。
借りられる用具には、様々な種類があります。
- 介護者用のベッドや車いす
- 手すり
- スロープ
- 杖 など
介護予防特定福祉用具販売
専門知識を持つ業者から福祉用具を購入できるサービスです。
購入できる用具には、以下のようなものがあります。
- 腰掛便座
- 自動排泄処理装置の交換可能な部品
- 簡易浴槽
- 入浴補助装置 など
支援レベルの区分

要支援1と要支援2の違い
要支援1は、基本的な生活動作をするために介護が必要であると判断される場合に該当し、要支援2はさらに介護が必要な場合に該当します。
要支援1と2のそれぞれの特徴として、要支援1は立ち上がる際に支援が必要です。
一方で、要支援2では立っていることや歩くことにも支援や支えが必要な状態になります。
要支援1から要支援2に進行させないために
支援レベルが1から2に上がらないようにするために、介護に必要のない支援を最小限に抑えることが重要です。できる範囲のことは自立させ、支援は生活を支える程度に抑えましょう。
具体的には、以下のようなことが有効です。
- 健康な状態を維持するために、適度な運動や食生活を重んじる
- 生活動作を自分自身で行うために、必要なスキルを身につける
- 生活環境を整える、介護に必要な支援を減らす
- 周りにサポートを求め、生活の支えを守る
- 定期的な健康診断のことで、早期発見や予防に取り組む
まとめ

この記事では、要支援1の方について解説しました。
要支援1の状態としては
- 最も介護度の低い状態であり、生活の一部に介護が必要である
- 介護に必要な時間が1日あたり「25分以上32分未満」と判定されると、要支援1に認定される
- 要支援1に認定されると、様々な介護予防サービスが受けられる
要支援1の方が利用できる介護予防サービスは色々あるため、状況にあったものを選ぶことが重要です。
最後に、要支援1から2の違いとして、要支援1は立ち上がる際に支援が必要であり、一方で、要支援2では立っていることや歩くことにも支援や支えが必要になります。
要支援2に上がらないためにも、できる範囲のことは自立させるよう心がけることが重要です。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
要支援2の状態や対応の仕方について解説している記事も上げています。
要支援1から要支援2に変わったタイミングに気づくきっかけにもなりますので、ぜひご覧ください。