この記事で解決できるお悩み
- 家族が要支援2に進行したけれども、どのような状態かわからない
- 要支援2と認定されるには、どのような認定基準があるの?
- 要支援2になることで、受けられるサービスは?
支援を必要とされている方、それぞれの状態に合わせた介護をしたいですよね。
この記事では、要支援2の状態や症状といった基本的な内容から、認定されるための基準や認定された後で利用できるサービスについても詳しく解説します。
要支援2の方への介護の仕方を5分ほどで理解できますので、ぜひご覧ください。
要支援2とは?
要支援1に次いで症状が軽い状態
要支援2の要介護者とは、7段階に分かれている要介護認定の中で、2番目に症状が軽い段階です。
生活の自立を続けるために介護を受ける必要があるが、介護者がいなくても生活を維持できる人のことを指します。具体的には、掃除、洗濯、移動、入浴などに関する身の回りのサポートが必要です。
抱えている症状の例
要支援2の高齢者は、移動に関して健康上の問題を抱えていることが多くあります。それにより、立ち上がったり、両足で立ったりすることに何らかの支えを必要とすることがあるようです。
要支援2の要介護者は、一定の生活支援を受けることで、自分自身の生活を維持することができます。
要支援2の認知機能
要支援2の要介護者は、認知機能については大きな問題を抱えていないことが多いです。
そのため、介護支援を受けながらであれば、1人暮らしを続けることもできるでしょう。
ただ、認知症や認知障害を持っている場合もありますので、確認は必要です。
もし認知機能に問題を抱える場合は、認知症のケアプログラムに参加し、日常生活においての認知能力を維持するための支援を受けることができます。
要支援2に区分される要介護者の平均年齢
要支援2の平均年齢は、以下のような分布になります。
年齢 | 人数 |
---|---|
40~64歳 | 14,900人 |
65~69歳 | 17,100人 |
70~74歳 | 42,900人 |
75~79歳 | 66,300人 |
80~84歳 | 115,700人 |
85~89歳 | 143,600人 |
90~94歳 | 90,100人 |
95歳以上 | 23,500人 |
毎月かかる費用の平均金額
要支援2の要介護者には、平均で毎月5.4万円かかるという調査結果が出ています。
参考:生命保険文化センターによる「平成30年度 生命保険に関する全国実態調査」
要支援1よりも安くなっていることがポイントです。
理由は、先を見据え計画的に使う利用者が多くなっているためでしょう。
要支援2に認定されるには?
認定にあたって必要な手続き
要介護認定には、厚生労働省が定めた「要介護認定等基準時間」があり、要介護者を介護するために必要な時間の目安です。要支援2の介護にかかる時間は「32分以上50分未満」とされています。
要支援2と認定されるまでの流れ
前提として、公的な介護保険制度に加入している必要があります。
まずは、各自治体にある介護保険の窓口で申請をします。
申請は本人でなくとも、家族や地域包括支援センターが代わりに申請することも可能です。
その後、具体的には、地域の医療機関や介護保険施設にて、介護の必要性について診断が行われます。
診断は、医師、看護師、社会福祉士などの専門家によって実施され、介護に必要な支援の程度を評価します。
その後、1か月ほどで結果が届くという流れになります。
要支援2と認定されるための判断基準は?
認知症の発症を判断基準にする場合が多くあります。
要支援2と判断しようとすると、複数の指標を用いて評価されることが多いです。
具体的には以下のようなことが判断基準になります。
- 生活の自立を維持するために一定の支援が必要であるが、介護者がいなくても生活を維持できる状態
- 移動、睡眠など日常生活へのサポートが必要な状態
- 病気や障害により療養や治療を受ける必要はあるが、入院は不要という状態
- 認知症や精神的な問題があり、支援が必要な状態
要支援2の高齢者は、生活の自立を維持するために一定の支援が必要ですが、介護者がいなくても日常生活を維持できるケースが多いでしょう。
要支援2と認定されることで得られるメリット
要支援2と認定されると得られるメリットはあるのか?
要支援2と認定された高齢者は、介護サービスを受けることができるため、様々なメリットがあります。
- 日常生活においてのサポート: 食事の準備や掃除、洗濯など、日常生活において役立つ支援を受けることができます。
- 病気や障害に対するケア:医師や介護士などの専門家による治療やケアを受けることができます。
- 社会とのつながりの保持: 介護サービスということで、家族や地域社会とのつながりを保つことができます。
要支援2で利用できるサービスを例も交えて紹介
要支援2に認定されると、地域の医療機関や介護保険施設などから、適切な介護サービスを受けることができます。
要支援2で受けられる介護予防サービスは大きく4つに分類できます。
- 自宅に介護の専門員が来てくれる介護予防サービス
- 施設に通う形での介護予防サービス
- 短期で施設に宿泊するサービス
- 福祉用具を販売、貸出してくれるサービス
自宅で受けられる訪問介護サービス
要支援1の高齢者でも、居宅介護サービスを受けることは一般的です。
居宅介護サービスでは、基本的な生活動作をするために必要な支援を受けることができます。
具体的には、以下の支援を受けることができます。
介護予防訪問入浴介護
内容としては、スタッフが入浴の介助を行います。
事前にケアマネジャーとプランを立て、どのように入浴するかを考えます。
さらに、身体状態の確認を行ってくれる場合もあります。
介護予防訪問リハビリ
理学療法士や作業療法士、言語聴覚士などが自宅へ訪問し、高齢者の生活機能を維持し改善します。
具体的には、マッサージを受けたり、コミュニケーションの改善を受けたりします。
介護予防訪問介護
介護福祉士や訪問介護員、看護師などが自宅へ訪問し、身体介助や家事のお手伝い、医療的なケアを行います。
施設に通う介護予防サービス
介護予防通所リハビリ
要支援者が今よりも状態を悪化させないことを目的として、日帰りで利用できるデイサービスです。
リハビリ施設に通い、リハビリテーションを受けることができます。
施設に泊まるサービス
介護予防短期入所生活介護
介護老人保健施設や特別養護老人ホームなどに短期間入所して受けるショートステイサービスです。
療養生活による生活機能の改善が期待できます。
また、要支援者の家族が時間を確保できることも特徴です。
介護予防短期入所療養介護
医療機関や高齢者介護福祉施設などで医療ケアを受けながら、短期で宿泊できる医療型のショートステイサービスです。
上記のショートステイサービスに比べ、心身の状況が悪化していたり医療の必要性が高かったりする場合に適しています。
福祉用具をレンタル・購入できるサービス
介護予防福祉用具貸与
専門知識のある業者から福祉用具をレンタルできるサービスです。
借りられる用具には、介護者用のベッドや車いす、手すり、スロープ、杖など様々な種類があります。
介護予防特定福祉用具販売
専門知識を持つ業者から福祉用具を購入できるサービスです。
購入できる用具には、腰掛便座や自動排泄処理装置の交換可能な部品、簡易浴槽、入浴補助装置などがあります。
支援レベルの区分
要支援2と要介護1の違い
要支援2と要介護1は、介護に必要な支援の程度によって異なります。
- 要支援2:生活の自立を守るために一定の支援が必要だが、介護者がいなくても生活を維持できる状態にある人。日常生活においての支援が必要です。
- 要介護1:介護者がいなければ生活の自立ができない状態にある人。基本的な生活動作や、健康状態の管理についての支援が必要です。
要支援2は、要介護1よりも生活の自立度が高く、介護者がいなくても生活を維持できる状態にあります。
具体的な例では、要支援2の場合、1人で風呂に入ることは可能です。
しかし、要介護1である場合は1人でお風呂に入ることは困難になります。
また、要支援2と要介護1の大きな違いとして認知症の有無と、心身状態の乱れが挙げられます。
要支援と要介護の違いについてさらに詳しく知りたい方は、こちらの記事も合わせてご確認ください。
要支援2から要介護1に上がらないようにするためには?
要支援2から要介護1に上がらないようにするためには、以下の内容を意識することが重要です。
- 健康状態の管理:病気により、療養や治療を受ける必要がある場合は、医師の指導に従って適切な障害のケアを受けることが重要です。
- 生活のバランス:適度な運動や、健康的な食生活、十分な睡眠をとることで、身体や精神の健康を維持することが重要です。
- 社会的な環境:家族や地域社会などからの支援を受けることで、生活の自立を守ることができます。
- 介護サービスの利用:要支援2に認定されている場合でも、適切な介護サービスを利用することで、生活の自助を促します。
まとめ
この記事では、要支援2の方の状態や症状、求められる介護について解説しました。
要支援2の状態としては
- 7段階に分かれている要介護認定の中で、2番目に症状が軽い段階である
- 介護に必要な時間が1日あたり「32分以上50分未満」と判定されると、要支援2に認定される
- 要支援2に認定されると、地域の医療機関や介護保険施設などから、適切な介護サービスを受けることができる
要支援2の方が利用できる介護予防サービスは色々あるため、状況にあったものを選ぶことが重要です。
自宅で受けられる訪問介護サービスは、介護予防訪問入浴介護・介護予防訪問リハビリ・介護予防訪問介護を紹介しました。
他にも、施設に通う介護予防通所リハビリや、短期で宿泊する介護予防短期入所生活介護・介護予防短期入所療養介護があります。
また、支援者に合った福祉用具をレンタルしたり購入したりすることも可能です。
最後に、要支援2と要介護1の違いとして、要支援2は生活の自立を守るために一定の支援が必要だが、介護者がいなくても生活を維持できる状態にある人であり、要介護1では介護者がいなければ生活の自立ができない状態にある人という違いがあります。
今後、長期に渡る介護が予想されます。家族の負担を減らすためにも、要介護1に上がらないためにも、介護保険の支援を効果的に受けていきましょう。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
要介護1の状態や対応の仕方について解説している記事も上げています。
要支援2から要介護1に変わったタイミングに気づくきっかけにもなりますので、ぜひご覧ください。