この記事で解決できるお悩み
- 要支援と要介護の違いとは?
- その違いに紐づく様々な変化にはどのように対応したらいい?
- 要支援や要介護に認定されるためには?
介護に関する知識や情報には複雑なことが多くありますよね。
この記事では、介護レベルの区分について丁寧に詳しく解説します。
この記事を読むことで、介護の全体像を掴むことができます。
そうすると、介護についての情報が今後理解しやすくなりますので、ぜひご覧ください。
介護等級における要支援と要介護の違いとは?

要支援者と要介護者の定義
要介護度は、介護に必要な程度を表す尺度です。一般的に、要介護度は、介護の必要性、介護の助けが必要な頻度、支援が必要な程度などを基に決定されています。
要介護度は8段階に分かれています。下に行くほど症状が重度です。
- 自立
- 要支援1、2
- 要介護1、2、3、4、5
自立とは、日常生活を送る上で、介護の支援が必要ない状態です。
要支援になると、日常生活のほとんどを自分で行うことはできますが、少しは支援が必要な状態です。
要介護では、日常生活を自分1人で行うことが難しく、基本的に介護が必要になる状態です。
それでは、ここから要支援と要介護の違いについて見ていきます。
要支援と要介護の違いとは?
要支援は、生活の中で一部の支援が必要な状態を表します。
介護が必要になる例としては、食事の準備や掃除、または医療的な介助が挙げられます。
要介護は、生活の中で多くの支援が必要な状態を表します。
例えば、トイレ、食事、移動などにも誰かの支えが必要です。さらに、医療的な介助や緊急事態に備えた見守りも必須になります。
このように、要介護の状態では、介護者の日常的な支援が必要な場合が多いです。
そのため、要支援と要介護では、要介護の方が重傷だと言えるでしょう。
要支援2と要介護1の違いとは?

それでは、要支援と要介護の境目となる要支援2と要介護1の違いについて見ていきましょう。
要支援2の高齢者は、一部の日常生活に困難を感じていることが特徴です。
日常生活に支障をきたす例としては、以下になります。
- 自分の手で食事の準備や掃除などをすることができない
- 薬を正確に服用することが困難な場合がある
- 車椅子などを使用して移動することが難しい
- 1人で長時間立ったり歩いたりすることが辛い
要支援2の状態についての詳細は、こちらの記事で詳しく解説していますので気になった方はご覧ください。
要介護1の高齢者は、多くの日常生活に困難を感じています。
- 自分自身でトイレや食事、入浴などの日常生活を完結できない
- 立ち上がり、起き上がりに支援が必要であり、歩くのも1人では難しい
- 1人での買い物や金銭管理が難しい。
要介護1の状態についても、こちらの記事で詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。。
認知症の要介護者の介護レベルは?
認知症の要介護者は、基本的に要介護1以上とされます。
そのため、要支援2と要介護1の大きな違いとして、認知症の状態が判断基準の1つになっています。
また、認知症患者になると、重度の不安や攻撃的な行動を示すこともあるために、特別なトレーニングを受けた介護者が必要になる場合もあります。
そのため、要支援2に比べ、要介護1では介護の必要性が増大します。
要支援2から要介護1に上がらないようにするには?
支援レベル2から介護レベル1に上がらないようにするためには、以下の内容を意識して生活することが重要です。
- 健康状態の管理:病気により、療養や治療を受ける必要がある場合は、医師の指導に従って適切な障害のケアを受けることが重要です。
- 生活のバランス:適度な運動や、健康的な食生活、十分な睡眠をとることで、身体や精神の健康を維持することが重要です。
- 社会的な環境:家族や地域社会などからの支援を受けることで、生活の自立を守ることができます。
- 介護サービスの利用:支援レベル2に認定されている場合でも、適切な介護サービスを利用することで、生活の自立を促します。
要支援と要介護へ認定されるには?

申請する方法・認定までの流れ
要支援の場合、まずは地域包括支援センターでケアプランを作成してもらいましょう。
ケアプランとは、要支援者の心身状態や生活環境を考慮し、必要なケアが受けられるようにするためのものです。
一方で、要介護の場合は、ケアマネージャーにケアプランを作成してもらう必要があります。
ケアマネジャーが要介護者の状態やご家族の希望に沿ったサービスが受けられるようにケアプランを作成してくれます。
ケアプランの作成費用に関しては、要支援であっても要介護でも介護保険が適用されるため費用を負担する必要はありません。
介護度の認定基準
要支援・要介護などの介護度には、認定される基準があります。
介護度は厚生労働省が定めた「要介護認定等基準時間」という毎日の介護に必要な時間を表す指標を基に判断されます。
以下に、各介護レベルの「要介護認定等基準時間」をまとめましたので、参考にしてください。
要介護度 | 要介護認定等基準時間 |
---|---|
要支援1 | 25分以上32分未満又はこれに相当すると認められる状態 |
要支援2 | 32分以上50分未満又はこれに相当すると認められる状態 |
要介護1 | 32分以上50分未満又はこれに相当すると認められる状態 |
要介護2 | 50分以上70分未満又はこれに相当すると認められる状態 |
要介護3 | 70分以上90分未満又はこれに相当すると認められる状態 |
要介護4 | 90分以上110分未満又はこれに相当すると認められる状態 |
要介護5 | 110分以上又はこれに相当すると認められる状態 |
介護認定の有効期限
介護レベルの認定には有効期限があります。
一般的に、介護度の認定は一定期間更新されない場合、再度の認定評価が必要となります。
この有効期限は原則1年となっています。
ただし、高齢者の心身状況が変化した場合は、期間が短縮したり延長したりする場合があります。
要支援と要介護でかかる金額の変化

要支援と要介護でかかる金額の違いは?
要支援と要介護で、毎月かかる費用の違いを表にまとめました。
要介護度 | 毎月の介護費用 |
---|---|
要支援1 | 58,000円 |
要支援2 | 54,000円 |
要介護1 | 45,000円 |
要介護2 | 57,000円 |
要介護3 | 87,000円 |
要介護4 | 99,000円 |
要介護5 | 104,000円 |
公的介護保険の利用経験なし | 44,000円 |
公的介護保険の利用経験あり | 80,000円 |
要支援と要介護で支給限度額の違いは?
介護保険のサービスなどを利用する場合は、要介護の区分に応じて、介護保険から給付される上限金額(区分支給限度額)が定められています。
利用者が負担する割合は、原則としてサービスにかかった費用の1割から3割です。
要介護状態区分 | 区分支給限度額 | サービス利用にかかる費用(10割額) |
---|---|---|
要支援1 | 5,032単位 | 50,320円~57,364円 |
要支援2 | 10,531単位 | 105,310円~120,053円 |
要介護1 | 16,765単位 | 167,650円~191,121円 |
要介護2 | 19,705単位 | 197,050円~224,637円 |
要介護3 | 27,048単位 | 270,480円~308,347円 |
要介護4 | 30,938単位 | 309,380円~352,693円 |
要介護5 | 36,217単位 | 362,170円~412,873円 |
まとめ

この記事では、要支援と要介護の違いや、違いに基づく様々な変化について説明しました。
要支援と要介護の違いは、要支援の状態は基本的に日常生活を自立して動けますが、要介護の状態では日常生活のほとんどに介護が必要になります。
また、大きな違いとして、認知症の症状が見られる場合は要介護になりやすいです。
要支援2から要介護1に上がらないために、日頃から生活リズムを整えて、健康管理を行うことが重要です。
要支援や要介護と認定されるためには、ケアプランを作成してもらう必要があります。
要支援の場合は、地域包括支援センターへ依頼することが一般的です。
一方で、要介護の場合はケアマネジャーへ依頼しましょう。
また、介護レベルの認定には有効期限があり、原則12か月ですので注意が必要です。
最後に、要支援・要介護で毎月かかる平均費用や介護保険から給付される金額についても解説しました。介護は長期的な計画を基に行うことが望ましいため、費用の計算を入念に行いましょう。
最後までご覧いただきありがとうございました。
こちらの記事では、要支援1〜2・要介護1〜5の状態やそれぞれの介護度で受けられるサービスについてさらに詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。