介護ロボットが普及しない理由とは?最新の普及率や介護ロボットの未来について解説

この記事は、以下のような方にオススメです。

  • 今後介護ロボットの普及が進むのであれば、早めに導入して負担を軽減したいと考えている方
  • 介護ロボットに興味があるが、近隣でも導入している施設がなく不安を感じている方
  • 介護ロボットの普及が進まない理由を知り、介護ロボットを導入するかどうかの判断に役立てたい方

「介護ロボットを導入したいが、実際に導入している施設が少なく不安…」
このような悩みを抱える介護施設運営者は多いでしょう。

介護ロボットは、介護現場で生じる精神的・身体的負担の軽減や、人手不足解消に役立ちます。
しかし、日本の介護現場における介護ロボットの普及率は、まだまだ低いのが現状です。

そのため、介護ロボットの導入に興味があっても、「普及していないということはあまり効果がないのでは…」などと不安を感じている方も多いのではないでしょうか。

この記事では、介護ロボットが普及しない理由や最新の普及率、介護ロボットの未来などについて解説します。
介護現場で生じる負担や悩みを解消する介護ロボットについても詳しく紹介しますので、ぜひご覧ください。

介護ロボットの概要や、導入するメリット・デメリットなどについては、こちらの記事でもご紹介しています。

目次

日本における介護ロボットの普及率

公益財団法人介護労働安定センターが、8,632の介護事業者を対象に実施した「令和4年度 介護労働実態調査」では、78.3%の介護事業者が「いずれの介護ロボットも導入していない」と回答しました。

最も導入されている割合が高い「見守り・コミュニケーション」の介護ロボットについても、導入している介護事業者は4.4%にとどまっています。

これらの結果から分かるように、現在の日本における介護ロボットの普及率はまだまだ低いのが現状です。

なお、介護保険サービス系型別にみると、「いずれの介護ロボットも導入していない」と回答した割合が最も低いのは施設系(入所型)で57.1%となっています。
一方、訪問系・施設系(通所型)・居宅介護支援では、「いずれの介護ロボットも導入していない」という回答が 83%以上を占めており、特に介護ロボットの普及率が低いことが分かるでしょう。

出典:公益財団法人 介護労働安定センター「令和4年度介護労働実態調査

介護ロボットが普及しない理由

前述の通り、現在の日本における介護ロボットの普及率はまだまだ低いのが現状です。

介護ロボットは、介護者や要介護者のさまざまな負担を軽減しますが、なぜ普及が進まないのでしょうか?

ここでは、公益財団法人 介護労働安定センターが実施した「令和4年度介護労働実態調査」の結果を交えながら、介護ロボットが普及しない理由について解説します。

導入コストが高い

「令和4年度介護労働実態調査」の「介護福祉機器の導入や利用についての課題・問題」という項目では、「導入コストが高い」と回答した介護事業者が最も多く、全体の47.1%となりました。

この結果からも、導入コストが高いことを理由に、介護ロボットの導入を見送っている介護事業者が多いことが分かります。

介護ロボットの6分野ごとにみたときの価格目安は下記の通りです。

  • 移乗支援:50万円〜200万円
  • 移動支援:5万円〜50万円
  • 排泄支援:5万円〜200万円
  • 見守り・コミュニケーション:15万円〜40万円
  • 入浴支援:35万円〜180万円
  • 介護業務支援:月額5,000円〜5万円

分野によって価格に差はあるものの、数万円以上するものが多く、介護ロボットが普及しないことに大きく影響していることが予想できます。

介護ロボットの価格相場や介護ロボットを安く導入する方法については、以下の記事でも詳しく解説しています。

介護現場の理解が進んでいない

介護現場では、ロボットを活用した介護にマイナスなイメージを抱く方が少なくありません。

「令和4年度介護労働実態調査」によると、「ケアに介護ロボットを活用することに違和感を覚える」と回答した介護事業者は5.5%でした。

介護ロボットは、上手く活用することで、要介護者とのコミュニケーションに掛ける時間を増やしたりすることにもつながります。
しかし、「介護は人の手で行うべきである」「人の手による介護こそが愛である」という考え方が、介護ロボットが普及しにくい1つの要因だと言えるでしょう。

種類が多いため選ぶのが難しい

介護ロボットの種類は、厚生労働省が定める「ロボット技術の介護利用における重点分野」において6分野13項目に分けられています。
種類が多いため、介護ロボットの導入を検討していても、「どのように選べば良いか分からない」と悩む介護事業者は多いでしょう。

同じ分野・項目であっても、利用できる機能や価格は大きく異なり、職員のニーズや予算に合った介護ロボットを選ぶのは容易ではありません。

そこで、ラクカイゴのWebサイトでは、介護負担を軽減する介護ロボットの魅力を商品ごとに分かりやすく解説しています。
介護に関する悩みを選択するだけで、現在抱えている負担を軽減できる介護ロボットに出会えるため、「介護ロボットの種類が多すぎて選べない」とお悩みの方は、ぜひ参考にしてみてください。

介護ロボットの今後

前述の通り、さまざまな理由から、日本における介護ロボットの普及率はまだまだ低いのが現状です。

しかし、日本では「老老介護の増加」や「介護職員の不足」が加速しています。

厚生労働省の発表によると、同居して介護を行っている世帯のうち、老老介護を行っている割合は2022年時点で63.5%を占めることが明らかになりました。
また、2025年には約32万人の介護職員が不足することも予想されています。

今後も「老老介護の増加」「介護職員の不足」などが続くことを考えると、介護ロボットを活用し、介護現場で生じるさまざまな負担を軽減していく動きは必要不可欠であると言えるでしょう。

介護ロボットの普及を促進する動き

前述したような背景から、近年日本では、介護ロボットの普及を促進する動きが活発化しているのです。

例えば、経済産業省・厚生労働省では、開発重点分野を特定し、介護ロボットの開発支援を行っています。
経済産業省が、民間企業や研究機関へ介護ロボットの開発支援を行い、厚生労働省が、介護現場での実証等を進めているのです。

また、厚生労働省では、地域医療介護総合確保基金を利用した介護ロボット導入支援事業も行っています。
「ロボット技術の介護利用における重点分野」に該当する介護ロボットや、見守りセンサーの導入に伴う通信環境整備に対して補助金を給付しているのです。

条件や補助額は都道府県によって異なるものの、補助金を活用することでコストを抑えて介護ロボットの導入を進められるでしょう。

介護ロボットは今後普及することが予想される

解説してきたとおり、「老老介護の増加」や「介護職員の不足」が加速している状況から、今後日本ではさらに介護ロボットが普及していくと予想できます。

現在は、「導入コストが高い」という理由で介護ロボットの導入を見送る介護事業者も多いですが、補助金を活用できることなどが広まるにつれ、介護ロボット導入のハードルは下がっていくでしょう。

また、現在は、ロボットを活用した介護に対してマイナスなイメージを抱く方が多いということも、介護ロボットの普及率が低い要因の一つです。
しかし、介護ロボットは、上手く活用することで要介護者が介護者へ気を遣うことが減ったり、コミュニケーションに掛ける時間を増やせたりと、介護者と要介護者双方にプラスの効果を期待できます。

今後、このような効果が広まることによって、ロボットを活用した介護に対するマイナスなイメージを抱く方も次第に減っていくと予想できるでしょう。

介護者・要介護者の負担を軽減できる介護ロボット3選

日本における介護ロボットの普及率は低いのが現状ですが、今後も日本では高齢化が進むことを踏まえると介護ロボットの導入は必要不可欠です。

ここからは、介護者・要介護者の負担を軽減する介護ロボットを3つ紹介します。
現場のニーズに合った介護ロボットを導入し、持続可能な介護環境づくりに繋げましょう。

1、手軽に着用できるアシストスーツ「タスケル(TASCHEL)」

「高齢者の身体を支える際に腰を傷めてしまった…」という介護者は多いでしょう。

タスケルは、着用するだけで良い姿勢に導き、腰や身体の負担を軽減するのに役立つアシストスーツです。

体位変換・移乗介助・入浴介助など、介護者の腰や身体に負担が掛かることの多い介護現場で役立ちます。
着用したままトイレへも行けるため、忙しい介護現場でも使いやすい商品と言えるでしょう。

また、医療・介護の現場で使いやすいように設計された「タスケル for Medical」は、使いやすさを追求したデザインも魅力です。
重量は、Mサイズで約280gとなっており、長時間着用しても身体に負担が掛かりづらいでしょう。

さらに、ベージュカラーであるため、白い制服の下でも透ける心配が少ないのです。
介護の現場で、周囲の目を気にせず使いたい方にも使用しやすいデザインと言えるでしょう。

タスケルは、一般社団法人日本DIYホームセンター協会が主催するJapan Homecenter Show 2021「日本DIY商品コンテスト」において、経済産業大臣賞を受賞しました。
また、タスケルは、新価値創造展2022にて取材された実績もあります。

タスケルは、簡単・快適に着用でき、介護現場のさまざまなシーンで生じる腰・身体への負担軽減を期待できるアシストスーツなのです。

タスケルの購入を検討する場合、よくある質問など詳しい情報をこちらの記事からご覧いただけます。

2、安心感や癒し効果を期待できるかわいいロボット「HACHI EX」

一人暮らしの高齢者などの中には、「家族となかなか会えず寂しさを感じる…」と悩む方も少なくありません。

HACHI EXは、ロボット機能が付いた秋田犬のぬいぐるみです。
4か所にセンサーが搭載されており、触る場所や撫で方によって異なる鳴き声を発します。

本物の犬と過ごしているような感覚を楽しめるため、アニマルセラピーと同様の効果が期待されているのです。

また、HACHI EXは、世話が不要である点も魅力と言えるでしょう。

本物のペットと暮らす場合は、散歩やトイレ・餌やりなどが必要となり、身体的にも金銭的にも大きな負担が掛かります。
しかし、HACHI EXは電池で稼働するペットロボットであるため、散歩やトイレ・餌やりなどの世話が必要ありません。

そのため、体力面や金銭面の負担を理由にペットとの暮らしを諦めている方も、安心して自宅へ迎えることができるのです。

HACHI EXは、読売新聞やYahoo!ニュース・dメニューニュースなど、複数のメディアに掲載された実績があります。
NTTドコモが運営するdメニューニュースでは、HACHI EXについて「まるで本物の秋田犬と一緒に暮らしているような体験ができる」「1人暮らしの人も飼うことができる」と紹介されました。

HACHI EXは、体力面や金銭面の負担を気にすることなく、高齢者に楽しさや安心感、癒し効果などを与えるペットロボットなのです。

HACHI EXの製品仕様や利用までの流れなどを知りたい方は、こちらの記事を合わせてご覧ください。

3、認知症介護に特化したコミュニケーションロボット「だいちゃん」

認知症患者とのコミュニケーションに悩む介護者は多いのではないでしょうか?

だいちゃんは、認知症介護に特化したコミュニケーションロボットです。

独自システムにより会話相手の集中度を判断します。
集中度を判断することで、認知症の方の気分に合わせたコミュニケーションが可能となるのです。

面白い事例として、認知症の方が他の介護士には言わない冗談を、だいちゃんに対して言うことがあります。
具体的には、だいちゃんからの「出身地はどこですか?」という質問に「アメリカです」と答えたり、「何歳ですか?」という質問に「20歳です」と冗談を言ったりするのです。

認知症の方が介護者には気を遣って言えないような冗談でも、だいちゃんに対しては気兼ねなく話す事例は面白いですよね。

だいちゃんは、発売開始から約1ヶ月の間に25台も購入された実績があります。
ほとんど1日に1台のペースで購入されており、多くの介護現場から必要とされていることが分かるでしょう。

また、だいちゃんは、週刊高齢者住宅新聞や日本経済新聞に掲載された実績もあります。

実際にだいちゃんを導入した方からは、「介護負担が軽減されて時間に余裕ができたため、本来集中すべき業務に向き合えるようになりました」といった声も寄せられており、今後さらに多くの介護現場で利用されることが期待できるでしょう。

こちらの記事では、だいちゃんについて、さらに詳しく紹介していますのでぜひご確認ください。

【まとめ】介護ロボットを一覧から探すなら「ラクカイゴ」

この記事では、日本で介護ロボットが普及しない理由や最新の普及率、介護ロボットの未来などについて解説しました。

日本では今後も高齢化が進み、「老老介護の増加」や「介護職員の不足」が加速すると予想されています。
そのため、介護現場で生じる負担の軽減や、持続可能な介護環境づくりを目指して、介護ロボットの普及は今後さらに進んでいくでしょう。

ラクカイゴのWebサイトでは、介護環境をアップデートする商品やサービスについて詳しく紹介しています。
以下の公式ページから、介護に関する悩みを選んで、あなたに合った商品を探してみてください。

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最後までご覧いただきありがとうございました。

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