歩き回り(あるきまわり)

認知症周辺症状(BPSD)のひとつ。
徘徊の意味であり、目的なくうろうろと歩き回る状態を指す。

目的なく歩き回るように見えるが、本人は過去からの生活習慣や職業習慣などをもとに目的を持って歩いていることが多い。

しかし、見当識障害などによって、自分の位置や時間が分からなくなり、事故に繋がる危険性があるため注意が必要。 歩き回りが発生するきっかけとして、不安や緊張などのストレスがかかると徘徊の量が増える。

「歩き回り」という行動は、一見するとただ単に目的もなく歩いているように見えるかもしれない。
しかし、大切なのは、その行動の背景には、利用者さん自身の何か満たされない思いや、伝えたい気持ちが隠されていることが多いということ。

例えば、昔、商店を営んでいた方が、お店を開ける時間になると、無意識にお店に向かおうとして歩き回ってしまうケースがある。
あるいは、家事をするのが好きだった方が、何かをしなければという思いから、落ち着きなく動き回ることも。

また、認知症が進行すると、時間や場所の感覚が曖昧になり、不安や焦りから歩き回ってしまうケースも少なくない。
周りの人から見ると、ただ歩き回っているように見えるかもしれないが、利用者さん本人にとっては、何かを探していたり、何かを確かめようとしたり、あるいは何かから逃れようとしていたりするのです。

介護者として、利用者さんの「歩き回り」の行動を理解するためには、まずその人の過去の生活歴や習慣を知ることが重要。
過去の生活習慣を知ることで、行動の意味や理由が見えてくることがある。そして、その行動の裏にある気持ちを理解し、寄り添うことが信頼関係を築くのに大切になる。

用語を使った例文
  • Aさんが、また歩き回ってる。何か探してるのかな?
  • さっきから落ち着かない様子で、歩き回ってるけど、何か不安なことでもあるのかな。
  • Bさんの歩き回りが始まったら、少しの間一緒に歩いて、落ち着くまで見守ろう。
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