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【車椅子の方へ】バリアフリーがない場所でも自力で移動できる商品5選

この記事は、以下のような方にオススメです。

  • 階段の段差や道の幅などを気にすることなく、外出や旅行を楽しみたい車椅子利用者
  • 車椅子利用者を介助する際の身体的負担を軽減できるような商品をお探しの方
  • 「バリアフリー化されていない場所へも一緒に出かけたい」と考える車椅子利用者のご家族

「自力で行動できる範囲が限定されていて不便…」
「階段を登り降りするたびに介助が必要で、周囲に気を遣う…」

このような悩みを抱える車椅子利用者は多いでしょう。

近年、公共交通機関やさまざまな施設でバリアフリー化が進んでいますが、周囲の手助けが必要となる場面はまだまだ多いのが現状です。
行動範囲が狭まることにストレスを感じたり、介助者へ気を遣ったりすることから、外出に消極的になっている方も多いのではないでしょうか?

この記事では、日本におけるバリアフリーの現状や、車椅子での外出をサポートする商品について解説します。
「不安やストレスを減らし、外出を心から楽しみたい!」という方は、ぜひご覧ください。

また、免許返納後の移動手段については、以下の記事で解説していますので合わせてご確認ください。
→免許返納後の通院や買い物は?高齢者の移動手段に関する課題と移動支援サービスを紹介

目次

【課題】日本におけるバリアフリーの普及率

日本では、2006年に「高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律」(バリアフリー法)が制定されました。
バリアフリー法は、高齢者や障害者が移動したり施設を利用したりする際の、利便性・安全性向上の促進を図り、公共の福祉の増進に資することを目的としています。

国土交通省が2023年に発表したデータによると、公共交通機関におけるバリアフリー化の進捗状況は以下の通りです。

旅客施設
段差の解消93.7%
視覚障害者誘導用ブロックの設置42.8%
案内設備の設置76.9%
障害者用トイレの設置91.8%
鉄軌道駅のホームドア又は可動式ホーム柵全鉄軌道駅:2,337番線
1日当たり平均利用者数10万人以上の鉄軌道駅:406番線
出典:国土交通省「公共交通機関におけるバリアフリー化が着実に進捗!~令和3年度 移動等円滑化に関する実績の集計結果概要~
車両等
鉄軌道車両52.4%
ノンステップバス65.5%
リフト付きバス等6%
空港アクセスバス37.6%
貸切バス1,157台
福祉タクシー(UDタクシーを含む)42,622台
旅客船55%
航空機100%
出典:国土交通省「公共交通機関におけるバリアフリー化が着実に進捗!~令和3年度 移動等円滑化に関する実績の集計結果概要~

上記の通り、旅客施設においては、「段差の解消」や「障害者用トイレの設置」が90%以上で完了しています。
また、車両等については、航空機が100%バリアフリー化を完了しているのです。

しかし、その一方で、鉄軌道車両・バス・旅客船のバリアフリー化は6%〜65.5%となっており、決して高い割合とは言えません。
このように、日本の公共交通機関におけるバリアフリーの普及率は、場所や乗り物の種類等により大きな差があるのが現状です。

車椅子の人のための工夫には限界がある

車椅子を利用する人が安全・快適に過ごせるよう、施設やお店・公共交通機関・道路などでは以下のような工夫が施されています。

  • 段差がある場所へのスロープ設置
  • 階段・トイレなどへの手すり設置
  • 車椅子が通りやすい道幅の確保
  • 開き戸から引き戸への変更
  • 車椅子等優先のトイレ・エレベーター設置
  • 車椅子優先の駐車スペース確保
  • 電車や施設への車椅子スペース確保
    など

しかし、すべての場所で完璧なバリアフリー化を行うのは容易ではありません。

例えば、階段しかない場所へスロープを設置する場合、車椅子で昇降しやすい勾配や幅などを考慮すると、かなり広いスペースの確保が必要となります。
また、コストもかさむため、なかなかバリアフリー化を進められずにいる施設やお店なども多いでしょう。

このように、車椅子利用者が安全・快適に暮らすための工夫には限界があるのです。

バリアフリーのさらなる普及だけに期待するだけでなく、今後は車椅子での移動をサポートする商品やサービスに目を向ける必要があるでしょう。

完全に段差をなくすことは不可能

車椅子利用者が外出した際に、不便さを感じやすいのが段差です。
高さのある段差はもちろん、1cm程度の比較的低い段差も、車椅子利用者には大きな障害となります。

前輪が引っかかって自力では登れなかったり、無理に乗り越えようとして転倒したりする危険があるのです。

しかし、車椅子利用者のためにすべての段差を無くすのは不可能です。
例えば、視覚障害者を誘導するための点字ブロックは車椅子利用者の妨げとなりますが、視覚障害者にとっては安全に移動するために必要不可欠であると言えるでしょう。

このように、すべての人に対応したバリアフリーは、物理的に不可能なのです。

車椅子で様々な場所を移動できる商品5選

日本では、段差の解消や障害者用トイレの設置といったバリアフリー化が進み、車椅子利用者が外出しやすい環境が整ってきています。

しかし、すべての人に対応したバリアフリーは物理的に不可能であるため、車椅子で思うように移動できず困ることもあるでしょう。
特に、介助者が居ない時や、初めての場所へ行く際は、不安を感じることも多いのではないでしょうか。

ここからは、車椅子での移動をサポートする商品を5つ紹介します。
自分の悩みや不安に合った商品を取り入れ、安心して外出を楽しみましょう。

1、幅の狭い駅の改札をスムーズに通れる車椅子「スワニーミニ」

スワニーミニとは、世界最小クラスのコンパクトな車椅子です。

車椅子で外出する際、通常の改札は幅が狭くて通れなかったという経験はないでしょうか?
駅員の案内やサポートが必要となり、気疲れしたり面倒に感じたりする方もいるでしょう。

スワニーミニは、横幅が市販品より6cmも狭く設計されており、駅の改札も通過できるため日常生活で移動しやすくなる点が特徴です。
体積も市販品の半分程度とコンパクトで、マンションの廊下やエレベーターも楽に通れます。

また、スワニーミニは、車椅子に乗った経験のあるスタッフが開発や改良を行ってきました。

実際に車いすを使用する方のニーズを正確に捉え、妥協することなく商品に反映しています。

例えば、スワニーミニの側面には、着脱可能なポケットが付いておりスマートフォンやカギなどの収納が可能です。

一般的な車椅子の場合は、後ろにポケットが付いていることが多く、車椅子に乗っている人が出し入れしづらいこともあるでしょう。
しかし、スワニーミニでは、車椅子に乗りながら簡単に物の出し入れができるため、利用者の手間やストレスの軽減を期待できます。

このように、スワニーミニは、既存製品では汲みきれなかった利用者のリアルなニーズを細かく反映した車椅子なのです。

スワニーミニは、来客者用として使用するために、県庁から数台購入された実績があります。
また、サンメッセ香川という公共施設は、コンパクトに収納できる利点からスワニーミニを3台購入したそうです。

さまざまな場所で導入されている点からも、スワニーミニの機能性・信頼性の高さが分かるでしょう。
スワニーミニは、車椅子に乗った経験のあるスタッフだからこそ開発できた、かゆいところに手がとどく車椅子なのです。

スワニーミニにに関する商品の詳細やお客様の声については、こちらの記事でご紹介しています。

2、車椅子に乗ったまま階段を移動できる「可搬型階段昇降機」

株式会社サンワの可搬型階段昇降機は、車椅子での階段の昇降をサポートします。

複数人のサポートがないと階段を昇降できず、目的地への到着を諦めたことがある車椅子利用者は少なくないでしょう。
また、階段の利用を避けるために遠回りし、体力や気力を消耗してしまう方も多いのではないでしょうか?

株式会社サンワの可搬型階段昇降機があれば、車椅子利用者による階段の昇降を、介助者が1人でサポートできます。
そのため、車椅子利用者が階段での移動を諦めたり、介助者へ気を遣って外出を控えたりすることを減らせるでしょう。

また、商品ラインアップが豊富で、利用したいシーンや階段の形状、操作の難易度などに応じて、より自分に合ったものを利用できる点も魅力です。

株式会社サンワの階段昇降機は、安全性や利便性が高く評価され、国内外で豊富な導入実績があります。

具体的には、ベルギー国鉄、香港地下鉄、北京地下鉄といった鉄道駅、重要文化財でエレベーターの設置ができない施設等に導入されました。
また、株式会社サンワの非常用階段避難車は、オリンピック会場などの大人数で利用する施設でも多く採用されています。

階段の途中でも安全に停止できるため、緊急避難の際、殺到する避難者との接触や追突といった二次被害に対処しやすいのです。
株式会社サンワの非常用階段避難車は、車椅子利用者に立ちふさがる「階段」という壁に対する不安を減らし、外出の楽しみ方を広げてくれる商品と言えるでしょう。

株式会社サンワの可搬型階段昇降機には複数の種類があるため、こちらの記事からあなたに合ったシリーズを選択することができます。

3、スーパーの買い物や坂道の移動を自力で!電動カート「myride」

myrideとは、簡単な操作でスマートに移動できる電動カートです。

手動車椅子での外出は、体力を消耗したり、段差や坂道など力が必要な場面で苦労したりすることが多いでしょう。

myrideは、電動カートであるため手元の簡単な操作のみでスムーズに移動でき、体力を消耗しません。

また、前輪にオムニホイールを採用しているため直進安定性が高く、屋外でも安定感のある走行が可能です。
オムニホイールは、複数の車輪を組み合わせてできており、本体の向きを変えることなくさまざまな方向へ進むことができます。

50mmの段差も乗り越えられるため、「助けを呼ばないと身動きが取れない…」などと困る場面が減ることも期待できるでしょう。

さらに、myrideは、必要に応じてお知らせの音声が流れる機能を搭載しています。

電動カートを運転する際、「周りの人にぶつかってしまうのでは」と不安を感じる方もいるでしょう。
myrideは、音声によるお知らせ機能によりこのような不安を最小限にとどめ、電動カートに初めて乗る方でも安心して利用できるよう配慮されています。

myrideを取り扱う株式会社今仙技術研究所は、myrideの取り扱いを決めた際、完成品を分解して問題点・改善点はないかを確認するところから始めました。

「myrideの利用者に怪我があってはいけない」という想いから、リスクになり得る部分を徹底的に洗い出し、製造メーカーと共有しながら改善してきたのです。
その結果として、myrideは高い安全性や機能性を誇り、多くの人に「自らの意思で動く楽しさ」を提供しています。

myrideに対する運営者の思いや利用までの流れについて知りたい方は、こちらの記事も合わせてご覧ください。

4、介助なしで段差を降りる車椅子ロボット「movBot」

movBotとは、心身の機能改善を目指す車椅子ロボットです。
目的や解決できる悩みごとに、3つのタイプが販売されています。

「人の手を借りることなくスムーズに階段を登ったり降りたりしたい…」このように考える車椅子利用者は多いでしょう。

通常、車椅子利用者が階段を昇降する際、複数人の介助者に車椅子ごと持ち上げてもらう必要があります。
そのため、「介助者に申し訳なさを感じる」という車椅子利用者が多いのです。

しかし、movBot ACEを利用すれば、歩道橋や駅の階段、電車の乗り降りなどを利用者自身で行えます。
介助者の力を借りることなく、階段を前向きで昇って前向きで降りるということが叶うのです。

さらに、横走行で障害物をかわしながら昇降できるため、「階段の途中に障害物があったらどうしよう…」という不安を感じることなく安心して階段を登り降りできます。

movBotは、2022年8月に、公益財団法人テクノエイド協会によって「介護ロボット実用化支援事業」に選ばれました。
また、movBotを製造するアクセスエンジニアリング有限会社が本社を置く神奈川県相模原市からも支援を受けているのです。

このように、movBotは、その画期性からさまざまな場所で支援事業として採択されており、高齢化社会における期待や注目度の高さがうかがえます。

movBotは目的別に3種類から選べますので、それぞれの特徴を比較したい方は、こちらの記事をご確認ください。

5、砂利道や災害時でも便利な車椅子補助具「JINRIKI QUICK3」

JINRIKI QUICK3は、車椅子に棒状のフレームを取り付け、人力車のように前から引けるようにするけん引補助装置です。

「海辺など車椅子では動きにくい場所を散歩してみたい」と考えたことがある車椅子利用者は少なくないでしょう。

しかし、砂浜や芝生といった不整地での車椅子走行は簡単ではありません。
また、坂道や凹凸の多い場所なども、介助者の体力的負担が大きいため遠慮し、外出を諦める方も多いようです。

JINRIKI QUICK3は、前輪を浮かせて人力車のように引くことで、不整地でもスムーズな車椅子走行を可能にします。
体重を利用して車椅子を引くため、介助者の体力的負担の軽減も期待できるでしょう。

さらに、JINRIKI QUICK3は、9割の車椅子に対応しているため、災害時の避難用具としても活用できます。
操作が簡単で中学生でも介助できるため、救助者を選ばない点も魅力です。

JINRIKI QUICK3は、「車椅子利用者の移動を助ける」として話題になりさまざまなテレビ番組で紹介された実績があります。
具体的には、テレビ東京の「ガイアの夜明け」やNHK総合の「みんなパスカる!」など、複数の全国ネット番組で取り上げられ、関心を集めているのです。

JINRIKI QUICK3は、車椅子に「引く+前輪を浮かせる」という機能をプラスすることで、介助する側とされる側両方の負担を軽減できる補助具であると言えるでしょう。

【Q&A】よくある質問

今後、日本ではさらなるバリアフリー化が進んでいくのでしょうか?

国土交通省が発表した「バリアフリー法に基づく基本方針における次期目標について(最終とりまとめ)(概要)」では、さらなるバリアフリー化に向けた2025年までの詳細な目標が記されています。

例えば、「3,000人以上/日の施設及び、基本構想の生活関連施設に位置付けられた2,000人以上/日の鉄軌道駅施設」においては、段差の解消、視覚障害者用誘導ブロック・案内設備・障害者用トイレの設置を原則100%行うよう定められています。

とりまとめの中には、公共交通機関ごとの詳細な目標が定められており、今後もバリアフリー化への取り組みが行われていくことが予想できるでしょう。

車椅子では、どれくらいの高さの段差まで乗り越えられますか?

越えられる段差の高さは、使用している車椅子の種類や、介助者の有無によって異なります。
車椅子の種類によっては、介助者のサポートを受けることで、10cm以上の段差を越えることも可能です。

自力の場合は、高さが1cmの段差であっても前輪が引っかかり、転倒する恐れがあります。
自力で段差を越えるのが難しい場合は、無理に越えようとせず、スロープを利用したり、サポートしてくれる人を探したりするようにしましょう。

【まとめ】ラクカイゴで、高齢者の生活環境をアップデート!

この記事では、日本におけるバリアフリーの現状や、車椅子利用者の移動をサポートする便利な商品などについて解説しました。

日本では、バリアフリー法に基づき、さまざまな施設・公共交通機関などでバリアフリー化が進められています。
国土交通省からは、さらなるバリアフリー化に向けた2025年までの目標も発表されており、今後もバリアフリー化への取り組みが行われていくことが予想できるでしょう。

しかし、すべての人に不自由のない環境を作ることは物理的に難しく、現実的ではありません。

そのため、さらなるバリアフリー化に期待するだけでなく、車椅子での移動や外出をサポートする商品やサービスの利用も検討する必要があるでしょう。

ラクカイゴのWebサイトでは、高齢者の暮らしや介護のやり方をアップデートする商品に出会えます。
以下の公式ページから、介護に関する悩みを選んで、あなたに合った商品を探してみてください。

\ 高齢者の生活環境をアップデートしたい方へ /

最後までご覧いただきありがとうございました。

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