介護保険による地域密着型サービスとは?10種類のサービス内容と特徴をわかりやすく紹介!メリット・デメリットも解説

この記事で解決できるお悩み

  • 地域密着型サービスってなに?
  • 地域密着型サービスの種類とそれぞれの特徴を知りたい
  • 地域密着型サービスのメリット・デメリットは?

この記事では、10種類の地域密着型サービスの内容と特徴について丁寧に解説しました。
メリットやデメリットについても整理していますので、ぜひご覧ください。

目次

地域密着型サービスとは?

地域密着型サービスとは、認知症高齢者や要介護高齢者が、住み慣れた地域でいつまでも生活できるように支援するサービスです。

身近な市町村により指定された事業者が住民に様々なサービスを提供しています。

施設の規模が小さいため、地域の特性に沿ったサービスをきめ細かく提供できると期待されています。

利用条件・対象者

地域密着型サービスを受けることができる対象者は、以下3つの条件に当てはまる人です。

  • 原則65歳以上であること
  • 要介護認定を受けていること
  • 事業者が所在する市町村に住んでいること

10種類の地域密着型サービス一覧

ここからは、10種類の地域密着型サービスを紹介します。

地域密着型サービスは、以下の4種類に分類できます。

  • 自宅に訪問してもらう
  • 施設に通う
  • 施設で宿泊する
  • 訪問、通い、宿泊を組み合わせる

それぞれのサービスの特徴や料金を丁寧に解説していきます。

自宅に訪問してくれるサービス

定期巡回・随時対応型訪問介護看護

定期巡回・随時対応型訪問看護介護は、日中・夜間を通して、時間帯を問わず1日複数回の定期巡回のサービスを提供します。また、緊急時などの随時対応・随時訪問サービスも行われます。

24時間365日対応しているため、独居や認知症の利用者に不測の事態が起きても安心です。

具体的なサービス内容としては、介護・看護が密接に連携しながら定期的に自宅を訪問し、安否確認や健康チェック、食事や排泄の生活介助など状況に応じて内容や時間なども柔軟に対応しています。

なお、要支援1~2の人は利用することができませんので、注意が必要です。

定期巡回・随時対応型訪問介護看護について詳しく解説した記事もありますので、ぜひ合わせてご確認ください。

夜間対応型訪問介護

夜間対応型訪問介護には、「定期巡回」と「随時対応」の2種類を実施するサービスです。

どちらのサービスも、利用者が持つケアコールからの通報に応じて対応します。
対応しづらい夜間帯でも訪問介護を行ってくれるという非常に頼もしいサービスです。

定期巡回では、18時から翌朝8時までの決められた時間帯に、ホームヘルパーや看護師が訪問してくれます。1回あたり30分程度で、サービス内容は排泄介助や安否確認などです。

一方、随時対応を利用すると、急な体調不良や転倒した場合などにホームヘルパーを呼んで介助を受けられます。

夜間対応型訪問介護については、こちらの記事で紹介していますので、ぜひご覧ください。

施設に通うサービス

地域密着型通所介護

地域密着型通所介護は、利用定員18人以下の小規模なデイサービスです。
通常のデイサービスと同様、入浴や食事などの介護支援や機能訓練などのサービスが提供されます。

小規模のため、利用者に寄り添ったきめ細かいサービスの提供が可能となっており、レクリエーションを楽しむ時間が充実していることが特徴です。
また、スタッフが少ない分、活発なコミュニケーションが多く、利用者の状態も把握しやすい環境となっています。

日帰りで利用できるため、家族が日中仕事に行くときなどに利用するケースが多いです。
なお、要支援1・2の方は利用できませんので、注意しましょう。

地域密着型通所介護についてさらに詳しく知りたい方は、こちらの記事も合わせてご覧ください。

認知症対応型通所介護

認知症対応型通所介護は、認知症の高齢者を対象としたデイサービスです。

利用定員が12名以下の家庭的な雰囲気で、食事や入浴などの生活介助、機能訓練、レクリエーションを日帰りで利用できます。

認知症を発症している人に特化しているため、認知症専門スタッフによる手厚いケアを受けられるため、安心して利用できると評判です。

なお、サービスのタイプが3つに分けられているのも特徴的です。
以下の中から、要望に沿ったものを選ぶことができます。

  • 単独型:認知症対応型デイサービスとして単独で運営
  • 併設型:特別養護老人ホームなど他の福祉施設と併設
  • 共用型:認知症対応型グループホームなど施設のリビングや食堂の共用スペースを利用

認知症対応型通所介護を利用する流れなどについて、詳しく紹介した記事もぜひ合わせてご確認ください。

療養通所介護

療養通所介護は、デイサービスのなかでも医療的ケアを必要としている高齢者を対象にしたサービスです。

医療・介護両方のサービスを受けられるため、難病や重度要介護の方、末期がんの患者を受け入れています。
なお、利用条件として要介護1以上と認定される必要があり、要支援の方は利用できません。

送迎サービスでは、車中でも看護師が付き添ってもらえるため非常に安心感があります。
利用者の様々な要望に応えるサービスであり、不定期な利用も可能です。

施設に宿泊するサービス

認知症対応型共同生活介護(グループホーム)

認知症対応型共同生活介護は、認知症の高齢者が5〜9人で共同生活を送りながら、日常生活の介護を受けられる施設です。

介護の内容としては、食事や入浴などの生活支援、リハビリを受けることができます。

各自の能力を活かしながら家庭的な雰囲気の中で、日々の生活を楽しめる点が魅力です。
利用者が家事を分担するなど、認知症の進行を防ぐプログラムが組み込まれています。

家族にとっても、認知症による高齢者への介護は負担が大きいため利用するメリットが大きいです。

認知症対応型共同生活介護(グループホーム)を詳しく紹介している記事も合わせてご覧ください。

地域密着型特定施設入居者生活介護

地域密着型特定施設入居者生活介護では、入居定員30人未満の小規模な介護施設で生活支援や介護サービス、機能訓練などを受けられます。

一般的に、入居場所としては介護専用の有料老人ホームや軽費老人ホームなどが利用されるケースが多いです。

なお、要支援1・2の方は利用できないため注意しましょう。

地域密着型特定施設入居者生活介護について料金や居室タイプなどを詳しく紹介していますので、ぜひご覧ください。

地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護

地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護は、定員30人未満の小規模な特別養護老人ホームで、食事や入浴、排せつなどの介護、機能訓練、健康管理などのサービスが受けられます。

要介護者を対象としているサービスであり、介護の専門員による質の高い介護サービスを受けられる点が魅力です。

施設のタイプには2種類あり、それぞれ特徴があります。
個室を備えたアットホームな施設と利用者の居住地に関係なく、利用できる特養の近くに設置された施設の2種類です。

こちらの記事では、地域密着型老人福祉施設入所者生活介護について詳しく紹介していますので、ぜひ合わせてご確認ください。

訪問、通所、宿泊を組み合わせるサービス

小規模多機能型居宅介護(小多機)

小規模多機能型居宅介護は、デイサービス・ショートステイ(宿泊)・訪問介護の3種類の介護サービスを組み合わせて提供しています。

基本的に、日帰りのデイサービスを中心としますが、必要に応じてスタッフが利用者の自宅を訪問したり利用者が施設に泊まったりすることが可能です。

メリットとして、1つの事業者と契約すると複数のサービスを利用できるため、手続きの手間が少なくなっています。他にも、スタッフと顔なじみになりやすく、利用を重ねると、安心感が得られるでしょう。

さらに、利用料は毎月定額に設定されているため、料金を気にすることなく利用できます。

小規模多機能型居宅介護(小多機)について丁寧に解説している記事もありますので、ぜひご覧ください。

看護小規模多機能型居宅介護(看多機)

看護小規模多機能型居宅介護は、通いを中心として、宿泊や訪問介護の組み合わせに加えて、医療的ケアの訪問看護が利用できる複合型の介護サービスです。

特徴は、小規模多機能型居宅介護に訪問看護が加わっていることです。
そのため、看護師が配置されており、医療的なケアが必要な方も利用しやすくなっています。

なじみのあるスタッフが、利用者の体調や家族の状態にあわせてサービスを提供することが可能です。

看護小規模多機能型居宅介護(看多機)については、こちらの記事を合わせてご覧ください。

サービスを利用するまでの流れ

地域密着型サービスは、以下の手順で利用できるようになります。

  1. 要介護認定の申請
  2. 認定調査・主治医意見書の作成
  3. 審査判定
  4. 介護レベルの認定
  5. 担当のケアマネージャーもしくは地域包括支援センターに相談
  6. 利用したい地域密着型サービスの空き状況を確認
  7. 事業所と契約
  8. ケアプランの作成
  9. サービスの利用開始

上記の9ステップを行うことで、地域密着型サービスを受けられるようになります。

さらに詳しい利用までの流れを知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。

メリット・デメリットは?

メリット

まず大きなメリットは、コミュニティを作りやすく、気軽に利用しやすい点です。
地域密着型サービスは小規模であるため、スタッフだけでなく利用者同士でも交流が密になります。

また、小規模な施設であることが多いため、時間や回数を柔軟に指定できることもメリットです。

施設に入居するよりも費用を抑えられることが多く、経済的な不安が小さいこともメリットと言えるでしょう。

デメリット

デメリットとしては、市町村に住んでいないとサービスを利用できない点があります。

また、費用が定額制のため、利用回数が少なかった場合にも、月額費用が変わらず損をしたように感じる可能性があるでしょう。

まとめ

この記事では、地域密着型サービスについて解説しました。

地域密着型サービスとは、介護を必要とする高齢者が住み慣れた地域でいつまでも生活できるように支援するサービスです。

対象者の条件として特徴的なのが、利用するサービスがある市町村に住んでいることが必要な点です。

そして、10種類の地域密着型サービスを、4種類に分類してご紹介しました。。

  • 自宅に訪問してもらう
  • 施設に通う
  • 施設で宿泊する
  • 訪問、通い、宿泊を組み合わせる

地域密着型サービスのデメリットとして、住んでいる地域のサービスでないと利用できないという点があります。
しかし一方で、小規模で地域になじんでいるため、気軽に利用しやすい点や柔軟に対応してもらえるという点は大きなメリットと言えるでしょう。

最後までご覧いただきありがとうございました。

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